2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
遠藤 暁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (90243609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 憲一 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (70363075)
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Keywords | マイクロドシメトリ / TEPC / 重イオン / フラグメント / 粒子識別 |
Research Abstract |
本研究課題においては、粒子識別型組織等価比例計数管(PID-TEPC)マイクロドシメトリ装置の開発を行う。一般に、組織等価比例計数管は粒子識別ができず全粒子のエネルギー付与スペエクトルとして測定される。しかしながら、粒子線治療や宇宙環境においては、多種類の粒子線が混在し、各々の線質が問題とされる。また、このような環境下では、高エネルギー中性子の線質も大きく寄与してくる。高エネルギー粒子線治療の治療成績向上のためには、粒子線が生成するフラグメント中の荷電粒子はもとより、中性子成分の線質・線量の評価も不可欠であるが、これまではあまり行われてこなかった。荷電フラグメントと比較した場合、中性子フラグメント成分は、線量がコントロールが難しいいため、線量評価されていないのが現状である。本課題申請者は、放医研HIMACからの炭素線のマイクロドシメトリとして、生成フラグメント粒子ごとのマイクロドシメトリを行ってきた。これまで行ってきた経験をもとに、組織等価型比例計数管(TEPC)とシリコン検出器を併用し、粒子識別を可能とする組織等価比例計数管:PID-TEPCを開発する。本研究で目指す測定システムPID-TEPCは、粒子を識別して線質を評価できるため、放射線治療場で生成される中性子成分の生体組織への影響や宇宙放射線場での中性子成分の被ばく線量評価も行うことが可能となる。 本研究年度においては、シリコン検出器中におけるエネルギー付与を見積もり、300μm程度の空乏層厚が必要であることを見積もり、空乏層厚:300μm、500μmの2種類についてNeイオンビームの生成するフラグメントに対するエネルギー分解能を評価した。その結果、炭素より重いフラグメントに関してはシリコン検出器による粒子識別が優れているが、軽いフラグメントでは、シンチレーション検出器の方が優れていることが示された。今後シンチレーション検出器の併用などについても検討が必要である。
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Research Products
(1 results)