2006 Fiscal Year Annual Research Report
周生期に投与したビスフェノールAのラット卵管形成におよぼす影響
Project/Area Number |
18510057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
太田 康彦 鳥取大学, 農学部, 教授 (60069078)
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Keywords | ラット / 卵管 / BPA / 内分泌かく乱 / 周生期 |
Research Abstract |
生成18年度の実施を予定した計画は次の通りであるが、予定に従って実施された結果をその後に順次記載した。 1.本研究に使用するT系ラットの成熟個体での卵巣-卵管結合部ならびに卵管構造の性周期における変化については、組織学的に検索した結果、子宮および膣のごとく性周期依存性の構造変化は、明確に認められなかった。今後は、繊毛上皮ならび腺細胞の分布状況などを定量的に精査して、発情ホルモンと卵管組織構造の変化を明らかにする予定である。 2.出生日より1週間、1mg BPAを皮下投与して60日齢での卵管構造変化を形態学的に検索したところ、発情期に摘出した卵管は、約60%の処理個体でどちらかの側で卵管采が欠如するか、或いは卵管間質に強い炎症を示していた。対照群と著しい相違が見られた。この様な個体では、排卵された卵子は卵嚢に留まり壊死していた。これらの結果は、予備的な実験と同様であり、周生期に投与したBAPの卵管への持続効果であることが強く示唆される。これらの結果は、平成18年度の環境ホルモン学会で報告した。 3.周生期投与のBPAの卵管における影響を経時的に調べた結果は、まだ全て出そろっていないが、45日齢までは全く正常個体と差が無く、現在55日齢での組織検索を継続している。生後40日齢では、既に性周期が開始しているため、卵巣から分泌される内因性の発情ホルモンの影響を無視できないことが判明して、平成19年度の研究実施にこれを考慮する予定である。 4.出生後の卵管成長に関係する組織構築遺伝子の検索、ならびに卵管采形成異常に関わる遺伝子の発現については、卵管形成異常の出現が予想より著しく遅くなっていることが判明したため、平成18年度は、DNAアレイ解析に必要な消耗品の準備とアレイデータ解析に必要な資料の収集を行った。 平成18年度は、予備実験の確認と卵管異常の出現開示式の特定を重点的に行った。平成19年度は、現在調整中であるRNAは、DNAマイクロアレーにハイブリする前段階まで本学で実施し、ハイブリと解析は国立共同研究機構岡崎統合バイオサイエンスセンターで実施し、BPAの卵管形成異常ならびに炎症誘発の遺伝子機構を解明する予定にしている。
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