2007 Fiscal Year Annual Research Report
低濃度環境汚染物質による脳への微細な影響の高感度検出
Project/Area Number |
18510058
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 岳 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 教授 (30192397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 省吾 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (50153888)
|
Keywords | 環境汚染 / トリブチルスズ / 作業記憶保持時間 / オペラント条件付け / ニューロステロイド |
Research Abstract |
「トリブチルスズ投与によるステロイド合成への影響」 3-6ヶ月齢ウイスター系オスラットの側脳室にトリブチルスズを投与し、48時間後に海馬を摘出した。real-time RT-PCR法でステロイド合成酵素やレセプターなど10種類のmRNA量を定量したところ、0.1-100nmolのトリブチルスズの投与ではこれらのmRNA量に変動は見られなかった。 そこで、左右の海馬に直接トリブチルスズ100nmolを24時間おきに2回投与した(計400nmol/48時間)。すると海馬のP450(17α)のmRNA量が有意に増加した。 同様の条件でトリブチルスズを投与した後海馬を摘出し、ステロイドを抽出して、RIA法でエストラジオールの定量を行った。エストラジオール濃度の変動は観測されなかった。 ステロイド合成に影響を与えない程度の微量の環境汚染物質が海馬に作用すると、ある種のステロイド合成酵素のmRNA量が変動した。これは脳への微細な影響を高感度で検出している可能性がある。 今後は同様の処理を行った後、記憶への影響を測定し、脳の高次機能への影響を解析する必要がある。「遅延非位置合わせ課題装置の改良」 平成18年度に改良した格納式2レバーオペラントボックスを用いて学習の獲得実験を行った。待ち受け方略を取れないように、レバーを設置した壁と反対側に赤外線センサーを取り付け、ラットが一度センサー付近に移動しないと課題をクリヤーできないように設定したところ、課題のクリヤーに予想外に時間がかかることが判明した。
|
Research Products
(10 results)