2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 隆一 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 助教授 (80019223)
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Keywords | 光触媒 / 二酸化チタン / 三酸化タングステン / 可視光 / スパッタ膜 / 環境ホルモン / 17βエストラジオール / HPLC |
Research Abstract |
TiO2薄膜の光活性を利用して、水中環境ホルモン、特に代表的な女性ホルモンである17βエストラジオールの分解を行い、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によって分解の度合を調べた。TiO2膜は電力500W、スパッタ時間60min、ガス圧0.5Paおよび0.8Paの条件で、TiターゲットとAr : O=7:3の混合ガスを用いて、対向ターゲット式スパッタ装置を用いて成膜した。環境ホルモンの分解は、シャーレに9.1×10^<-4> mol/Lに調整した17βエストラジオールの溶液(40ml)中に形成膜を保持、固定し、スターラーで攪拌しながら薄膜に紫外線および人工太陽光を照射し、30分間隔で、マイクロシリンジ(5μl)を用いて溶液を採取し、その溶液のクロマトグラムを測定し、17βエストラジオールのピークの高さから分解量を推定した。 紫外線強度1mw/cm^2では、照射時間とともに2時間後で最初の量の40%、6時間後で約60%の量の17βエストラジオールが分解され、ガス圧0.8Paでの形成膜の方が僅かながら、分解効率が良いことが分かった。紫外線強度0.5mw/cm^2では、2時間後で最初の量の20%、6時間後で約50%の量が分解された。紫外線が強い方が、照射時間が短いほど分解量は多いが、6時間後では、ほぼ飽和してくる。スパッタガス圧の違いにより、分解量にちがいが生じたが、これは表面積のちがいによると考えている。光源を100Wの人工太陽光に替えた場合、分解量は照射時間とともに2時間後で最初の量の10%、6時間後で約30%の量であった。 可視光応答TiO_2/WO_3二層膜に人工太陽光を照射して、上記と同様の実験を行った結果、照射時間とともに2時間後で最初の量の30%、6時間後で約50%の量が分解されることが分かり、可視光応答に対しWO_3二層化の効果があることが示された。
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