2006 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素による乳酸エステルの精製および光学分離技術の開発
Project/Area Number |
18510072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
大門 裕之 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (60335106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
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Keywords | 乳酸 / 超臨界流体 / リサイクル / 光学分離 / バイオプラスチック |
Research Abstract |
バイオマスプラスチックとして注目されているポリ乳酸(PLLA)は光学純度の違いにより、物性が変化する。この特性を生かし、意図的あるいは非意図的に光学純度を変え、多様な特性を持つPLLAが市場に出ることが予想される。再資源化においては、光学純度の異なるPLLAの分解物から、物性の優れたPLLAおよびステレオコンプレックス型ポリ乳酸(scPLA)を生産するため、光学純度の高い乳酸を得る必要がある。そこで、乳酸に対して光学分割の手法の開発が求められている。本研究では、超臨界流体クロマトグラフィー法(SFC)を用いて、乳酸の光学分割手法の開発を目的とした。ただし、乳酸は超臨界二酸化炭素に不溶であるため、まず、PLLAを加アルコール分解反応(アルコリシス)により乳酸エステルを得た後、SFCにより光学分割することを試みた。 PLLAのアルコリシスの結果、反応溶媒にエタノールを用いた場合、反応温度220〜260でエステル化が促進され、乳酸エチルの収率は80%以上得られた。特に、反応温度260℃、時間45minにおいて乳酸エチルの収率は100%であることを明らかにした。また、その他のアルコールを溶媒としてエステル化を行ったところ、乳酸エステルの側鎖が長くなるほど乳酸エステルの収率は低下した。加えて、触媒として炭酸カリウムを添加した場合、他の触媒と比べてアルコールに不溶で、さらに低温においての効果が高いため、優れた触媒であることを明らかにした。SFCによる光学分割では、温度40〜42℃、モディファイヤ流量0.01〜0.02ml/minで光学分割できることが確認された。一般にSFCの利用はコスト高になる恐れがあるため、来年度フィージビリティ・スタディを行う。
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Research Products
(1 results)