2007 Fiscal Year Annual Research Report
土壌中の移流・分散制御による選択的物質輸送を用いた省資源・低コスト土壌環境管理
Project/Area Number |
18510074
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森 也寸志 Shimane University, 生物資源科学部, 准教授 (80252899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 直子 九州大学, 大学院・農学研究院, 学術研究員 (80437772)
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Keywords | 環境技術 / 土壌圏現象 / 移流・分散 / 浸透現象 / 土壌汚染 / 施肥管理 / 環境保全 |
Research Abstract |
浸透速度と不飽和度の調節によって土壌カラム内での溶液の浸透領域の制御,また汚染土壌の効率的な浄化を実現したため.本年はそれに続いて土壌内に人工的にマクロポアをつくり,溶液の迅速な流下,溶液の土壌内での拡散を目指した.前年より鉛直に長いカラムを用意し,マクロポアの有無,また,マクロポアの内部に繊維状物質を導入するしないの違いを用意して溶質の拡散傾向を精査したところ,人工マクロポアを作り,内部に繊維状物質を挿入したものが長期に安定した溶質拡散を示した.長期の溶質浸透実験を行うと多くの試料では目詰まりを起こしたが,本手法では目詰まりを回避し長期にわたって溶質浸透を行うことが出来た.また,実際に油汚染土壌を作って栄養塩を流し,微生物浄化を行ったところ,多くに試料において浄化と共に微生物活性が高くなって目詰まりを起こすのに対し,当該技術では長期にわたって浄化実験を継続することが出来た. さらに,大型土層を用意して水平方向への拡散を考慮した溶質移動実験を行った.すなわち,最適なマクロポア径とその間隔をシミュレーションを元に決定し,実際に大型土壌カラム内での溶剤の広がりを土壌水分センサーでモニターし,人工マクロポアによる移流分散を最適化した.深さは根群域を超える80cmとし,分散を最大にする最適なマクロポア径と間隔を求めた.すると溶質の分散はマクロポアの径には関係なく間隔にのみ依存することが明らかになった.すなわち大がかりな土木工事をすることなく鉛直方向への溶質移動を促進する技術として利用可能であることがわかった.実際の野外計測においては浸透過程または水質形成過程が水分依存性であることを示すデータが得られ,これを人工的に利用すると効率的な施肥管理技術に結びつけられることを示す基礎的なデータが得られた.
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Research Products
(16 results)