2006 Fiscal Year Annual Research Report
下水汚泥分解細菌株による余剰汚泥の溶解化およびその乳酸化に関する研究
Project/Area Number |
18510076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾川 博昭 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (50108685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 義人 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (50175395)
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Keywords | 下水余剰汚泥 / 下水汚泥分解細菌株 / 汚泥溶解の最適化 / プロテアーゼ放出 / 環境負荷低減技術 |
Research Abstract |
下水汚泥の資源化と減量化を目的に、汚泥中に存在する自然の乳酸菌を利用して、余剰汚泥から乳酸を生成させるとと共に汚泥そのものも減量されることを見出し、研究を展開してきた。本課題では分離・同定した下水汚泥分解菌と乳酸菌を使用して、余剰汚泥の溶解法の確立およびその溶解した汚泥から高効率に乳酸を生産することを、更に汚泥分解菌および乳酸菌の探索を行うことも研究目的とし、次の成果を得た。 1.重量濃度25%の下水汚泥培地(pH8.0)を使用した余剰汚泥を溶解する条件は、最終菌量約10^6cfu/mlの汚泥分解細菌Brevibacillus sp. KH3株の接種、温度50℃、48時間の振とう培養が最適であり、31.3%の汚泥減量化率を得た。 2.新規な汚泥分解菌Bacillus sp. KH4株を分離した。本菌株は、アピ20Eやアピ50CHBなどによる生化学/生理学的試験では同定不能菌であったが、16SリボソームRNA遺伝子のDNA塩基配列解析からBacillus sp. Eur1と97%の相同性を示す新菌種と同定した。 3.KH3株放出のプロテアーゼは、硫安沈殿、DEAE Sepharose FFやSepacryl S-100などによる精製およびEDTAやPMSFなどの阻害実験から、分子量42Kdの金属イオンを有するセリンプロテアーゼであり、更なる性状を調べている。また、KH4株も分子量約200Kdのプロテアーゼを分泌していると考えられる。 4.乳酸菌の探索は、50℃の培養試料からLactobacillus acidophilus、L. delbrueckii subsp. delbrueckiiやL.lactis subsp. lactisなど、30℃の試料からL. plantarum、L. delb. delb.やL. pentosusなどを分離・同定し、乳酸生成性を検討している。
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Research Products
(5 results)