2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性マグネタイト微粒子の調製と砒素汚染浄化システムへの応用
Project/Area Number |
18510077
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大栄 薫 University of Miyazaki, 工学部, 助教 (00315350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 由成 宮崎大学, 工学部, 教授 (20039291)
大島 達也 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00343335)
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Keywords | マグネタイト / チタン / As(V) / As(III) / 吸着 / 除去 / 高比表面積 / 等電位点 |
Research Abstract |
本研究は、地下水などの環境水からの砒素除去を目的として、環境低負荷型のマグネタイト微粒子を調製し、微粒子のもつ表面構造(等電位点、比表面積など)と砒素に対する吸着特性の関係および、砒素除去に関するより詳しい知見を得るための試験を行った。本年度は、まず、Siを含むマグネタイトを調製した。このマグネタイトは、高い比表面積を示し、砒素対して高い吸着能力を有したが、中性領域でシリカの溶解がみられたため、地下水への応用が困難であることが示された.次に天然存在比の高いTiを含むマグネタイトを調製した。チタンイオンと鉄イオンの混合モル比を変化させることにより等電位点、比表面積の異なるマグネタイト微粒子を調製することができ、これらの物性をXRD,比表面積測定装置等を用いて評価した.チタン含有量の増加に伴い、等電位点が上昇することが示された.また、混合モル比がTi/Fe=1の時、比表面積が最大値を示し、その値は沈殿法によって調製したマグネタイトの約3倍の値を示した.これらの結果より、チタンイオンをマグネタイト調製時に加えることにより、表面積の拡大化されることが示された.これらの吸着材を用いて砒素除去特性を検討した。Ti/Fe=1のとき、As(III)の飽和吸着量は1.2mmol.gであり、マグネタイトの約6倍もの吸着量の増加が示された.一方Ti/MAG=3のAs(III)飽和吸着量はマグネタイトと同程度であったが、pH2付近でもマグネタイトは溶解せず、旧廃止鉱山廃水からの砒素除去材として期待された.これらの吸着材のもつ比表面積の増加に伴いAs(III)の飽和吸着量も増加したことから、表面積の拡大化が砒素除去材を開発する上でとても重要な因子であることが示された.今後砒素吸着材の表面積拡大化を目指した調製条件の最適化を継続して検討する必要がある.
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