2006 Fiscal Year Annual Research Report
真菌が形成するマンガン酸化物と金属イオンの複合系を用いた有害アニオン種の濃縮除去
Project/Area Number |
18510080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
谷 幸則 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (10285190)
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Keywords | 環境材料 / 環境技術 / 有害化学物質 / 水質浄化 |
Research Abstract |
申請者が単離したマンガン酸化真菌KR21-2株が形成したマンガン酸化物は、84%のMn(IV)と16%のMn(II)で構成されていることがXANESの測定により明らかとなった。つまり、KR21-2株によって形成されるMn酸化物は、不溶態Mn(IV)上にMn(II)が吸着している状態であることが確かめられた。Mn酸化酵素の単離に成功し、XANESの測定からMn(IV)が酵素により形成される過程を明らかにすることができた。TEMおよびSEM観測により、形成されたMn酸化物は、薄片上の微細は構造を持つことが明らかとなった。また、単離したMn酸化酵素のゲルろ過-ICP質量分析による活性金属を分析したところ、酵素一分子あたり二分子のCuが検出され、KR21-2株のMn酸化酵素がMulticopper oxidaseであることが明らかとなった。オキソアニオン種であるSb,Mo,Se,Te,V,Cr,W,As,Ge,SnについてKR21-2株の増殖に対する阻害は認められなかった。一方、Teについては、Mnの酸化活性を阻害する傾向が認められた。その他のオキソアニオン種Sb,Mo,Se,V,Cr,W,As,Ge,Sn(20μM)存在下でも、KR21-2株は、初期濃度1mMからMn酸化物の形成が認められた。Mn酸化物への吸着選択性は、W(IV)>V(V)>Mo(VI)>As(V)>Sb(V)>Ge(IV)>Cr(VI)>Se(VI)であり、特にW(V)の高い吸着性が認められた。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Manganese(IV) oxide production by Acremonium sp. strain KR21-2 and extracellular Mn(II) oxide activity2006
Author(s)
Miyata, N., Tani, Y., Naruo, K., Tsuno, H., Sakata, M., Iwahori, K.
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Journal Title
Applied and Environmental Microbiology 72・10
Pages: 6467-6473