2007 Fiscal Year Annual Research Report
真菌が形成するマンガン酸化物と金属イオンの複合系を用いた有害アニオン種の濃縮除去
Project/Area Number |
18510080
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
谷 幸則 University of Shizuoka, 環境科学研究所, 助教 (10285190)
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Keywords | マンガン酸化物 / レアメタル / 環境保全 / 真菌 / オキソアニオン / 吸着 / 重金属イオン / 微生物 |
Research Abstract |
近年、様々な分野でレアメタルが使用されており、環境保全とともに顕著する地下資源の枯渇化の観点からも、環境負荷が少ないレアメタルの回収処理技術の開発が不可欠である。本研究は、マンガン酸化真菌KR21-2が形成するマンガン酸化物を用いて、Sb(V),Mo(VI),Se(VI),Te(VI),V(V),Cr(VI),W(VI),As(III・IV),Ge(IV)のオキソアニオン種の濃縮除去の可能性を検討することを目的としている。本研究で用いたマンガン酸化真菌KR21-2株が形成したマンガン酸化物は、TEMおよびSEM観測により、形成されたMn酸化物は、薄片上の微細は構造を持ち、比較的高い比表面積を有するために、種々の元素に対し高い吸着能が期待される。Teを除くオキソアニオン種(10から20μM)の共存下で、KR21-2株は、初期濃度lmMからMn酸化物の形成が認められた。Mn酸化物への吸着選択性は、W>V>Mo>As>Sb>Ge>Cr>Seであった。これらのオキソアニオン種の吸着は、平衡濃度20μM以下の範囲で、Freundlich吸着等温線に従うことが明らかとなった。比較的高い吸着が認められたSb(V),Mo(VI),V(V),W(VI),As(IV)について、マンガン酸化物形成率と吸着率について詳細に検討したところ、As(V),V(V)は溶存Mn(II)存在下でより高い吸着を示すのに対し、Mo(VI)は、溶存Mn(II)の共存により吸着率が低下することが分かった。Sb(V),W(VI)の吸着は、マンガン酸化物形成量とほぼ一次の関係にあり、共存Mn(II)による吸着の影響が少ないことが示唆された。このように、オキソアニオン種間において、マンガン酸化物形成時の吸着様式が異なることが示唆された。
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Research Products
(4 results)