2008 Fiscal Year Annual Research Report
真菌が形成するマンガン酸化物と金属イオンの複合系を用いた有害アニオン種の濃縮除去
Project/Area Number |
18510080
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
谷 幸則 University of Shizuoka, 環境科学研究所, 准教授 (10285190)
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Keywords | マンガン酸化菌 / 生物起源マンガン酸化物 / 吸着 / 元素回収 / オキソアニオン |
Research Abstract |
近年、様々な分野でレアメタルが使用されており、環境保全とともに顕著する地下資源の枯渇化の観点からも、環境負荷が少ないレアメタルの回収処理技術の開発が不可欠である。本研究課題では、マンガン酸化真菌が形成するマンガン酸化物と金属イオンの複合系を用いたSb,Mo,As,W,Se,Te等の有害オキソアニオン種の濃縮除去の可能性を検討することを目的とした。比較的高い吸着が認められたSb(V),Mo(VI),V(V),W(VI),As(IV)について、マンガン酸化物形成率と吸着率について詳細に検討したところ、As(V),V(V)は、溶存Mn(II)共存下で高い吸着(金属イオンと共吸着)を示すことが明らかとなった。一方、Mo(VI)は、溶存Mn(II)の共存下で吸着率が低下し、その吸着は金属イオンと競争的に生じることが示唆された。Sb(V),W(VI)に対する共存Mn(II)の影響は少ないことが示された。 Co(II),Zn(II),Ni(II)の共存下によるオキソアニオン種の吸着挙動を検証するために、Co(II),Zn(II),Ni(II)共存下におけるKR21-2株のマンガン酸化物形成能について検討した結果、Co(II)で50μM Zn(II)で80μM,Ni(II)で15μM以上の濃度でマンガン酸化物形成能が失われることが明らかとなった。一般的な廃水では、多種の有害元素が含まれているので、これらの重金属イオンによるマンガン酸化物形成能の阻害を避けることがマンガン酸化真菌を用いた微量有害金属除去システムを構築するために重要であることが示された。
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Research Products
(7 results)