2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法に基づくオンサイト地下水汚染評価技術の開発
Project/Area Number |
18510083
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
石山 高 Center for Environmental Science in Saitama, 水環境担当, 主任 (80297621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 基之 埼玉県環境科学国際センター, 水環境担当, 主任研究員 (30415377)
八戸 昭一 埼玉県環境科学国際センター, 地質地盤騒音担当, 専門研究員 (70415397)
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Keywords | 土壌・地下水汚染 / 環境 / 電気化学 / オンサイト分析 |
Research Abstract |
ストリッピングボルタンメトリー(SV)によるヒ素の化学形態別分析法を開発し、これをオンサイト地下水汚染調査に適用した。埼玉県内で採水した地下水を研究所に持ち帰りSV測定したところ、0.001〜0.088mg/Lのヒ素濃度が検出された。分析結果はJIS法により得られた値と良く一致したことから、本分析技術は精度面でも良好であることが実証できた。環境基準を上回るヒ素が検出された地下水は、地域的に局在化しており、埼玉県中西部、南東部、北東部地域を中心に分布していることが分かった。地質試料の分析と地下水質特性の解析から、ヒ素による地下水汚染は自然由来の可能性が示唆された。地質からのヒ素溶出メカニズムとしては、(1)弱アルカリ性の停滞性地下水との接触、(2)褐鉄鉱の還元に伴うヒ素の溶出が考えられ、南東部地域では(1)、中西部地域では(2)、北東部地域では(1)及び(2)が起こっていることが判明した。中西部地域の地下水をオンサイト分析したところ、ヒ素のほとんどは亜ヒ酸(As(III))として存在することが明らかとなった。一方、河川水中のヒ素はヒ酸(As(V))として存在していた。地下水の酸化還元電位は59〜100mVvs.NHEと比較的低かったが、河川水の酸化還元電位は400mVvs.NHE以上であった。このように環境条件の違いにより、ヒ素の化学形態は異なることが分かった。今回分析した地下水試料について、ヒ素化学形態の経時変化を調べたところ、採水後6日間経過した時点で、As(III)濃度は20〜65%減少した。無機態ヒ素濃度(As(III)+As(V))に大きな変動は認められなかったことから、時間と伴に一部のAs(III)がAs(V)へ酸化されたものと考えられる。
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