2008 Fiscal Year Annual Research Report
泡沫層存在下での低環境負荷型界面活性剤の高効率・低コスト生産システム
Project/Area Number |
18510085
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹園 恵 Niigata Institute of Technology, 工学部, 教授 (20288252)
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Keywords | バイオサーファクタント / 低環境負荷型材料 / バイオリアクター / 消泡装置 / 泡沫分離 |
Research Abstract |
消泡装置を備えた10L容の微生物反応器を用いて、泡沫存在下でBacillus subtilis NT1株の好気培養を実施し、リポペプチド型のバイオサーファクタントを生産した。昨年度実施した実験では、消泡翼を用いる培養期間中の発泡コントロールが不十分であったため、その機械的消泡方式に改良を加えた。泡沫上昇を抑えるために、カサ状回転体を消泡翼と液表面の間に取り付け、さらに破泡後の液を下方に流すために、消泡翼の上面に液を供給した。これらの改良により、微生物反応器内に培養液の部分と泡沫層の部分を存在させながら、Bacillus subtilis NT1株の48時間培養に成功した。菌体濃度は、培養液の部分でも泡沫層の部分でもほとんど変化しなかった。バイオサーファクタント濃度は、培養液の部分よりも泡沫層の部分の方がかなり高くなった。これは、バイオサーファクタントが培養液の部分で作られた後、泡沫層に移動し、濃縮していることを示唆する。培養液部のバイオサーファクタント濃度に対する泡沫層のバイオサーファクタント濃度の比として定義される濃縮比は、培養開始後22時間以降10〜20付近でほぼ一定となった。バイオサーファクタント量は、培養時間の増加とともに増加し、30時間以降やや減少した。48時間の培養終了時に泡沫層を全て取り出した場合、泡沫によるバイオサーファクタントの回収率は50%であった。次に、バイオサーファクタントの回収率を高めること目的として、培養期間中に一定量の泡沫を取り出す操作を加えた。その結果、バイオサーファクタントの回収率を85%にまで高めることができた。また泡沫を利用する本生産法により、分離精製プロセスに移すバイオサーファクタント含有液量を仕込み液量の16%にまで減らすことができた。
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Research Products
(1 results)