2006 Fiscal Year Annual Research Report
高純度・高品質2層ナノチューブの大量生成・精製システムの開発
Project/Area Number |
18510087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 俊樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50262845)
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Keywords | 高品質2層ナノチューブ / 自動精製システム / 2層ナノチューブ探針 |
Research Abstract |
今年度は高品質2層ナノチューブの生成と精製を自動化する装置を開発した。高温炉中で空気酸化し、アモルファス炭素および単層ナノチューブを除去する操作と、常温で塩酸により、金属を除去する操作を繰り返し、通常では困難な精製を自動化する。われわれの生成する高品質2層ナノチューブはパルスアーク放電法を用いて生成するため、使用する触媒金属量が多く、、含まれる金属不純物が多い。このため、化学蒸着法で生成するナノチューブに比べ、ナノチューブ自体の構造欠陥は少ないにもかかわらず、精製は困難であった。この自動精製システムの構築により精製が遙かに容易になり、その結果純度の高い2層ナノチューブを用いて、、AFM探針を製作することが可能となった。この探針は、単層ナノチューブに比較して、高い機械的耐久性を持つ2層ナノチューブの性質を反映し、より高い解像度を示し、世界最高水準の高性能探針であることが明らかになった。この探針は使用済みの珪素製AEM探針に今回開した精製システムで高純度化した高品質2層ナノチューブを付着させたものであり、非常に安く簡便に製作でき、実用化の可能性もある。現在この2層ナノチューブ探針を安定して製作できるように、珪素製AFM探針に付着させるシステムも開発しており、今回の研究の成果をさらに発展させる予定である。今後は、大量精製した高品質2層ナノチューブを用いて、ピーポットなど派生物質を生成し、ナノチューブの特性の層数依存性をさらに発展させる予定である。
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