2007 Fiscal Year Annual Research Report
高純度・高品質2層ナノチューブの大量生成・精製システムの開発
Project/Area Number |
18510087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 俊樹 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 助教 (50262845)
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Keywords | 高温パルスアーク放電法 / 高品質2層カーボンナノチューブ / 自動精製システム |
Research Abstract |
前年度に開発した高品質2層ナノチューブの生成と精製を自動化する装置を用いて、高品質2層ナノチューブを大量生産した。この装置は塩酸による金属除去と空気酸化によるアモルファスカーボンおよび単層ナノチューブ除去を最適化し、2層ナノチューブの生成を行うシステムである。この高品質2層ナノチューブは世界有数の構造均一性と欠陥の少なさを持ち、標準物質としての地位を確立しつある。この高品質2層ナノチューブを用いて、C_<60>ピーポット生成や発光特性、およびSTMによる内外層相互作用の観察を行った。まず、2層ナノチューブピーポットが生成できることから、ピーポット生成時においてフラーレンなどは2層チューブの側壁の欠陥部ではなく、開端部から進入していることが明らかになった。これは、側面部の欠陥が2層チューブの内層と外層の同じ位置にあることの確率がきわめて低いことが予想されることから明らかである。さらに、2層チューブの発光特性から、外層に保護された内側からの発光が観測され、さらに内層から外層へのエネルギー移動も観測されつつある。さらにSTMによる観測からは、内層と外層の相互作用から、モアレパターンがグラファイト構造の上に観測され、層間間隔がグラファイトよりも大きいナノチューブでも相互作用があることと、STMなどのプローブ顕微鏡によっても内層を測定できる可能性を示すことができた。現在解析を進め、内層と外層の構造決定と、特異な電子状態の観測を試みている。
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