2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
一柳 優子 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (90240762)
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Keywords | ナノテクノロジー / 磁気微粒子 / 磁化測定 / フェライト / ナノ医療 / 機能化 |
Research Abstract |
(1)Mnを含む酸化物として粒径が2.5-35nmのMn304のナノ微粒子を作成し、その磁気的性質および局所構造について解析を進めた。通常バルクでは1440K以下で正方晶を取ることがわかっているが、10nm以下の微粒子では高温相にしか見られない立法晶が出現することを見出した。磁化測定の結果からは、35nmの試料はバルクとほぼ同等の磁気パラメータが得られたが、20nm以下では大きく変化していった。14nmの試料は特異的で、5Kで大きな保磁力を持つ強磁性的な振る舞いが顕著であった。XAFSやPDFによる局所構造の解析によると、この14nmの試料は、その前後の大きさの粒子と比較して、原子が数Åにわたり周期的に配列していることがわかった。 (2)Mgを含むフェライト微粒子を作成し磁気特性を明らかにした。Mgフェライトは急冷処理をすることで、サイト分布に変化がおこり磁化の値に影響すると言われているが、これがナノ微粒子で起こるか否かを観察した。その結果、アニール処理したサンプルより急冷したものの方が、磁化の値が大きくなることを見出した。 (3)医療への応用の手始めとして、Fe酸化物ナノ微粒子にアミノ基を修飾する試みをした。本微粒子はアモルファスSiO2に囲まれているという特徴を持つため、Siが表面に存在している。この形状はシラン化するのに好都合となっている。γ-APTESを用いてFe-0ナノ微粒子にアミノ-シランカップリングを施した。赤外線スペクトルで確認したところ、シラン化後には新たにアミノ基由来のピークが観察できた。アミノ化前後での構造および磁性の変化は起こらなかった。 (4)今年度における国内外での学会発表は次の通りである。ナノ学会第4回大会(2006年5月、京都)、横国大・横市大・横浜市ナノテクシンポジウム(2006年8月、横浜)、磁性物理学国際会議(2006年8月、京都)、日本物理学会秋季大会(2006年9月、千葉)、産学公交流研究発表会(2006年10月、海老名)、マイクロマシン展(2006年11月、東京)、産学公技術連携フォーラム(2007年3月、横浜)、国大・市大ナノテク交流シンポジウム(2007年3月、横浜)、日本物理学会第61回年会(2007年3月、鹿児島)。 (5)受賞 磁性物理学国際会議にて、優秀ポスター賞を受賞した。
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Research Products
(6 results)