2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
大友 季哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 助教授 (90270397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 慎一 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (70435600)
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Keywords | ナノ材料 / 表面・界面物性 / 放射線、X線、粒子線 |
Research Abstract |
平成18年度は、等温吸着曲線に従い、FSM-16細孔内の水分子量を制御し、細孔内表面を水分子一層で覆った状態をmono-layer状態(試料1グラムあたり水分子0.2グラムを吸着)とフル充填(試料1グラムあたり水分子0.7グラム)について、その場中性子準弾性測定を行った。測定データから拡散定数を求め、さらに温度変化を測定することで、各吸着量における活性化エネルギーを求めることができた。その結果、フル充填した場合の水分子の活性化エネルギーはバルク氷とほぼ同等であり、mono-layer状態ではバルク水のおよそ半分程度の活性化エネルギーであることが明らかになった。バルク水の場合の活性化エネルギーは、1個の水分子に4個の水分子が水素結合していることに起因しているので、mono-layer状態では2個の水分子が結合していると予想される。これはFSM表面に水分子が2次元的に配置していることからも予想できる。ただし、活性化エネルギーの起源としては、FSM表面の粗さも考えられるので、水分子の配置に関する情報が必要である。FSM骨格のシリカガラス構造の密度が、通常のシリカガラスよりも高密度化していることを示唆する実験データも得られている。こうした実験経過を踏まえ、平成19年度はX線回折を中心とする構造解析を試みる。
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