2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶で形成された電極系の光励起キャリアダイナミックスと光電変換特性
Project/Area Number |
18510096
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
豊田 太郎 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (40217576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 青 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (50282926)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光電変換 / 半導体量子ドット / 光励起キャリア / 過渡応答 / CdSe |
Research Abstract |
1.前年と同様の手法で、TiO_2フォトニック結晶で形成された光電極の作製を行った。その結果、鋳型として使用するポリスチレン(PS)ラテックスの粒径とフォトニックバンドとの相関性を見出した。PSの粒径の増加と共に、フォトニックバンドギャップは低エネルギー側(長波長側)にシフトすることが、反射スペクトル評価から判明した。 2.CdSe量子ドットを上記1の電極系に吸着を行い、分光増感特性について検討を行った。その結果、分光増感特性はフォトニックバンドと相関があり、最適なPSラテックス粒径が存在することが分かった。CdSe量子ドット増感光電変換セルを形成し、光電変換効率の評価を行った。その際、量子ドットにはZnSとFイオンによる表面保護を施した。その結果、光電変換効率3.4%が達成された。さらに、対極を従来のPtから硫化物系に変換したところ、光電変換効率4.3%を達成することが出来た。この値は、従来報告されている半導体量子ドット増感光電変換セルの中で最高値を示している。 3.金属量子ドットとしてAu量子ドットを取り上げ、第一歩として従来のナノ粒子集合TiO_2電極に吸着を行い、光吸収ならびに光電流評価を行った。その結果、表面プラズモン吸収による光吸収が観測され、基板電極の状態に対応する表面プラズモンピークが見られた。一方、光電流は光吸収が観測されたにも関わらず、ほとんど発生しなかった。今後は、半導体量子ドットと金属量子ドットの複合的組み合わせを試み、光電流発現の最大化を試みる。
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