2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
大竹 晃浩 独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, 主幹研究員 (10343873)
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Keywords | 自己組織化 / 量子ドット / 走査トンネル顕微鏡 / ガリウム砒素 / 液滴エピタキシー |
Research Abstract |
本研究では、GaAs、InAs等の化合物半導体系量子ドットを二次元的に配列させるためのテンプレートを、既存の微細加工技術に頼ることなく、表面の自己組織化現象を利用して作製した。基板として用いたのは、GaAs(111)A表面上に層状に成長させた5原子層程度のInAs薄膜である。InAs/GaAs界面では7.1%の格子不整合を緩和するために、<211>方向に平行な完全転位と<110>方向に平行な部分転位が三回対称性を持って形成される。その結果、InAs表面では転位に沿って線状の溝(0.05nm程度の深さ)が約60Åの間隔で形成された。こうして得られたテンプレート上に、まず、Ga(約0.1原子層に相当する量)のみを蒸着し、形成されたGa液滴を走査トンネル顕微鏡を用いて評価した。室温から300℃の範囲でGa液滴を作製したところ、約200℃で作製した場合に転位ネットワークの周期性を反映したGa液滴の二次元配列が確認された。Ga液滴の横方向のサイズはGaの蒸着量に依存し、上記条件の場合35-70Åであったが、液滴の高さは蒸着量にかかわらずほぼ一定であった(4-5Å)。液滴の形成位置は転位と転位の間であったことから、転位がGa拡散の障壁となったことが示唆される。一方、GaAs(111)A表面上にGaを直接蒸着した場合には、液滴の配列はランダムであった。周期配列したGa液滴にAs分子線を照射することによってGaAs結晶島を作製した(液滴エピタキシー法)後も、周期性に乱れは生じず、周期的に配列したGaAsドットが形成された。これに対し、InAs薄膜表面にGaとAsを同時蒸着した場合には、GaAs島の周期配列は起こらなかった。以上の結果は、量子ドットの二次元配列を実現する上で、液滴エピタキシー法がきわめて有用であることを示している。
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Research Products
(2 results)