2006 Fiscal Year Annual Research Report
中性子反射率による埋もれた重水素ヘテロ界面構造の解析と新規積層構造の創成
Project/Area Number |
18510104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
朝岡 秀人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40370340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 全康 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70222099)
曽山 和彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (90343912)
社本 真一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (90235698)
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Keywords | 結晶成長 / 表面・界面物性 / ナノ材料 / 水素 / 放射線、X線、粒子線 |
Research Abstract |
高集積化が進むデバイステクノロジーは、今や既存材料の物性的限界に直面しており、結晶構造・熱膨張率など物質固有の特性の不一致を克服した新たなヘテロ構造の構築が求められている。我々はSrTiO_3のテンプレートとなるSrやSrO薄膜と、Si基板との格子不整合の緩衝域として水素単原子によるバッファー層を挿入し、12%の格子不整合を克服した薄膜成長に成功した。単原子のナノレベル緩衝域の存在で、このような大きな格子不整合を克服しヘテロエピタキシー成長が成立したケースは極めて稀で、このユニークな薄膜の界面構造を解明することによって、新たな異種物質接合形態を見いだせる可能性が高い。18年度において、SrO薄膜下に埋もれた微小領域の水素界面層を実測する目的で、水素界面層を重水素に置換し中性子に対するコントラストを変化させ、解析精度を上げた中性子反射率測定を行い、解析を終了した。また同時に反射高速電子回折(RHEED)測定、透過型電子顕微鏡(TEM)による不整合界面の構造評価を行い、不整合界面にアモルファス層などの遷移層を介することなく、格子不整合系の基板格子と不連続な界面をもって薄膜のバルク格子が生成していることが明らかとなった。19年度では更に大きな格子不整合を持つSi基板上のSr薄膜について中性子反射率測定を行い、ヘテロ界面構造の解析と新規積層構造の創成研究を進める。
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