2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロリアクターを用いた新規光反応プロセスの開発と機構解明
Project/Area Number |
18510109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松下 慶寿 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80240753)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / システムオンチップ / 環境技術 / 表面・界面物性 / 光触媒 |
Research Abstract |
光源と反応場の特徴を有効に組み合わせた光反応システム開発を目指し、光反応に最適化したマイクロリアクターを設計、製作した。不斉増感反応、光触媒による有機化合物の酸化・還元、アルキル化などなどをモデル反応として、高収率、高選択率反応プロセス実現のための研究を進めた。マイクロリアクター設計にあたっては、蹟微分光法による反応場の解析、および有限要素法を用いたCFD計算の手法を併用した。エキシマーレーザー、Nd:YAGレーザー励起OPOレーザー、さらに装置全体の小型化とフォトンコスト低減を果たすためUV-LEDを用いて実験を行い、微細な反応場の特性と反応速度、反応選択性を向上させる因子との関連を精査した。不斉増感反応においてマイクロフロー系の性質を利用して反応の収率、選択性を向上できることを確認した。さらに励起波長の最適化など、反応条件スクリーニングにマイクロリアクターが有用であることが示された。またマイクロリアクターの流路内に酸化チタンを担持させ、その酸化・還元力を用いた環境汚染物質の分解、有機化合物の還元を行わせると、極めて短時間に高い収率が得られることが明らかとなった。光触媒によるアミンのアルキル化ではバッチ反応系では観測できない特異な反応が発現すること、レイノルズ数の小さいマイクロ流路中で生成する気液固三相流を用いれば光触媒による酸化反応の迅速性を著しく高められることを見出した。また光触媒担持マイクロリアクターを用いて水溶液中の二酸化炭素を処理すると、六電子還元によるメタノールが主生成物として得られた。
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