2008 Fiscal Year Annual Research Report
数理生態学の手法を応用した都市成長の数理モデルの開発
Project/Area Number |
18510114
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 勉 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00282327)
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Keywords | 都市計画 / 成長 / 配置 / 形態 / 数理生態学 |
Research Abstract |
本年度は,高速交通の技術進歩を考慮した階層構造を有する交通ネットワーク形態の発現メカニズムの解明に関する研究を実施した. 本年度の前半では,交通技術の性能と交通需要の関係に関する検討を行った.交通量に応じて交通輸送能力の水準がどのように充足されてきたかを,現実の都市における経緯を調査することにより実証的に把握し,モデルにおけるパラメータに反映させる方法を検討した. 本年度の後半では,階層構造を有する交通ネットワーク発展のモデル化を行った.多段階の交通機関を仮定し,交通量が多くなると交通輸送性能の向上により交通ネットワークが高度化する過程をモデルに取り入れ,都市における交通軸による骨格形成のメカニズムを再現するモデルを開発した.その結果,交通ネットワークが遍く充足しないうちに,特定の位置に存在する交通リンクが高度化し,交通ネットワークの階層構造が構築される現象が再現され,交通ネットワークにおける階層構造の合理性が検証された? 本研究では,歴史性を踏まえつつ,都市の成長により形成される空間形態を,数理生態学の手法を応用した都市成長の数理的モデルにより解析することを考え,鉄道ターミナルや商業中心地などの拠点配置と交通網形態の両者に着目しながら,都市の成長過程を規範的に記述し,その動学的成長プロセスを明らかにすることを目的として研究を進めてきた.都市拡大・成長の経緯を再現する数理モデルについて,3力年の研究成果を取りまとめた.
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Research Products
(6 results)