2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本及びアジア地域に関するソブリンリスク計量モデルの構築
Project/Area Number |
18510119
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮崎 浩一 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (10334575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 隆康 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60361888)
石井 昌宏 大東文化大学, 経営学部, 講師 (90323881)
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Keywords | ソブリンリスク / 自国通貨建て債務 / 外貨建て債務 / マートン・モデル / 重回帰モデル |
Research Abstract |
1.研究実施計画の概略 18年度に検討したソブリンリスクを生じさせるマクロの金融・財政関連指標をクレジットリスクの計量モデルに適切に接続したうえで実際に実証分析を行い、格付機関がアジア諸国に与える格付の妥当性を検証すること、得られた研究成果を海外・国内で発表し、最終年度に行う計量モデルのファインチューンや総合的な検討を行うための手掛かりを得ること、が19年度の課題であった。 2.研究実績 (1)まず、18年度に検討した財政指標である外貨準備高と将来のネット輸出額の総和を国の対外的な資産とみなして、マートン・モデルに基づくソブリンリスクの計量モデルを完成させた。そこでは、日本と韓国に注目した実証分析を行い時系列的に実際の格付とモデルの格付との整合性を議論した。この成果を、査読付き論文「日本と韓国のソブリン格付けに関する検証」として公表した。 (2)(1)で述べた計量モデルが、日本と韓国のソブリンリスクの推移を効果的に捉えることができたので、分析対象国をアジアの他の諸国にも拡張した。この成果を国際会議(7-th annual Hawaii International Conference on Business)で公表した。1つの国に着目した場合に、計量モデルの格付と実際の格付との時系列的な格付の整合性は概ね適切であるが、ある国の格付けを別の国の格付けと比較する場合にはマートン・モデルに基づくアプローチの有効性は限定的であることがわかった。(3)(2)に述べた点を補うために、重回帰モデルに基づくクロスセクショナルな計量モデルを考案し、アジア諸国に関して実証分析を行った。この結果をまとめて学会発表「重回帰モデルに基づくアジア諸国のソブリン格付の検証」を行った。アジア通貨危機の以前と以降の時期で格付機関が格付を決定する際の要因が変化する様が確認できた。
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Research Products
(3 results)