2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス環境都市空間内におけるユーザ挙動モデルの研究
Project/Area Number |
18510120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山田 孝子 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助教授 (80272053)
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Keywords | 中心市街地 / 歩行者 / 回遊 / 重力モデル |
Research Abstract |
ユビキタス情報社会を実現していくには、技術的限界やコストの現実性などを検討した上での運用体制構築が不可欠である。そのためにはRFIDやセンサーネットワークなどの個別要素技術の研究だけではなく、社会レベルでのシステム構築を前提としたトータルアーキテクチャの研究を行う必要がある。本研究ではユーザが駅や交差点、商業施設や歩道などがある都市空間内で、複数の端末が情報の受配信を行い、その情報に基づいて行動を変えるような状況を想定しモデル化する。たとえばデータ配信で店舗や交通情報を受け取り、それによって回遊行動が影響を受けたり、電車などの交通機関を利用して到着、退去を行う状況を想定している。本年度は、青森市、山形市、横浜市の中心部での歩行回遊行動モデルを作成した。モデルでは、街を複数の地区に分割する。歩行者が複数の地区を適当な規則に従って訪問する一連の連鎖によって回遊を表現する。「街」は、ノード及びリンクにより構成されるグラフとして表され、ノードは実際の街における地理的にひとまとまりの街区に、リンクは街区間を結ぶ道路や鉄道に相当する。歩行者は、適当な街区ノードから出発し、街区ノードの訪問を一定数行ったのち街から退去する。街区ノードには、歩行者を誘引する要因として魅力と呼ぶ値を与える。具体的には街区ノードの商業規模や観光地としての規模などを数値化して用いる。リンクは距離に対応する値とその属性を持ち、歩行者がリンクを移動する際における一般の道路、遊歩道、公共交通機関の利用の有無などを区別する。たとえば横浜市申心市街地に対しては、道路、モール、遊歩道、鉄道の4種類の属性を考えた。歩行者は次の目的地とする街区ノードを、その街区ノードの魅力のべき乗に比例し、距離のべき乗に反比例する確率で選択する。モデルの係数は、横浜市が来訪者に対して行った商業地点間の移動についてのアンケート調査から導かれるノード間推移確率とモデルによって算出されるノード間推移確率との平均2乗誤差が最小となるような値を推定値として採用した。また青森市や山形市においても、具体的には計測された中心市街地内での歩行者数により、モデルで用いる係数を求めた。その結果、横浜のような商業も観光も盛んな都市においては、歩行者として少なくとも、買い物客と観光客の2種類を想定する必要性が確認され、青森市、山形市においては、買い物行動をいくつかのシナリオとして与えることで、多様な目的を持つ歩行者を生成し、うまく歩行者回遊をモデル化できることが確認された。次年度は、このモデルを用いて、これらの歩行者がアドホックなネットワークを構成した場合、携帯端末と通信を行いながら回遊した場合の性能評価を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)