2008 Fiscal Year Annual Research Report
SCM環境下の動的不確実性に即応する階層的生産計画・スケジューリングシステム
Project/Area Number |
18510130
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長沢 啓行 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 教授 (30117999)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 直樹 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (80199091)
森澤 和子 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (60220050)
|
Keywords | システム工学 / モデル化 / SCM / スケジューリング / 多目的計画法 |
Research Abstract |
「SCM環境下の動的不確実性に即応する階層的生産計画スケジューリングシステム」の開発を3つの階層で進めた。第1層の構造的不確実性については、「シナリオ生起確率を考慮した確率論的順序関係に基づく頑健な最適解」の概念を静的頑健性から動的頑健性へ拡張し、完全列挙法による「動的に頑健な最適解」の生成法と大規模問題にも適用可能なMOCRSS(多目的複合ランダムサンプルスケジューリング)を用いた「動的に頑健な最適解」の近似生成法を提案した。さらにこの動的頑健性の概念をシナリオ変化後のリスケジューリングを想定した頑健性へと発展させ、平均滞留時間最小化と平均納期遅れ最小化の単一機械スケジューリング問題に対してリスケジューリングを前提とした頑健な最適解の生成法を提案した。また、確率論的順序関係を定める基準分布関数の形状決定パラメータに関する感度分析結果を意思決定者にわかりやすく提示し、候補解集合の中から頑健な解を容易に選択できる対話型意思決定支援システムをより実用的なものに改良した。第2層の運用的不確実性については、シナリオを想定した生産計画・スケジューリングシステムの効率的な運用のために、不確実性対応型の加工-組立セルに関して、昨年度までの成果を踏まえ、より現実的なスケジューリングモデルを対象に分岐ルールを改良した分岐限界法やジョブリストと探索法の工夫により効率的な解探索を行える高精度近似解法を提案した。第3層の突発的不確実性については、昨年度までに開発してきた自律分散型スケジューリングシステムをベースとしたリアルタイムスケジューリングシステムにおいて、ジョブによる意思決定と機械による意思決定の矛盾を状況に即してより柔軟に調整する手法を提案し、さらに規範スケジュールの選定法についても改良することで、現場での作業遅れや機械の故障に一層柔軟に対応可能なシステムを構築した。
|