2008 Fiscal Year Annual Research Report
新製品導入時のマーケティング戦略と市場メカニズムについての構成的手法による研究
Project/Area Number |
18510133
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
北中 英明 Takushoku University, 商学部, 教授 (20297089)
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Keywords | マーケティング / 新製品開発 / エージェントベース・シミュレーション / マルチエージェント・シミュレーション / 社会シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、新製品開発・導入戦略に焦点をあて、新しい研究手法としてさまざまな研究領域において近年注目を集めている構成的手法(エージェント・べース・アプローチ)を用いて、新製品導入時の企業のマーケティング戦略と市場メカニズムについての研究を行うことである。 研究計画の最終年度にあたる今年度の成果は、シミュレーション・モデルを完成させたことと、本研究で採用しているエージェント・シミュレーションという方法論についての考察をおこなったことである。 まず当初の目的であったシミュレーション・モデルの構築であるが、「水まわり耐久消費財市場」を取り上げ、当該市場における新商品投入時のマーケット・シェアの変動を再現するシミュレーション・モデルを構築した。こうして構築したシミュレーション・モデルを用いて、新製品導入時の企業のマーケティング戦略が市場や他のプレイヤー(競合他社、チャネル、消費者)に対して与える影響について、さまざまな確度から分析と考察をおこなった。 また、今年度はエージェント・シミュレーションという方法論についての考察をおこなった。エージェント・シミュレーションに関しては、近年、第三の研究手法であるという認識が広がっているものの、演繹的な研究アプローチ、もしくは帰納的な研究アプローチのようなオーソドックスな研究手法に比較すると、エージェント・シミュレーションという研究方法についての妥当性や正当性についての見解が分かれる場合もあった。そこで、エージェント・シミュレーションという手法の研究アプローチとしての有効性や妥当性についての考察をおこなった。この考察は継続しておこない、今後さらに発展させる予定である。
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