2006 Fiscal Year Annual Research Report
異質的相互作用エージェントの認識場と社会・秩序形成
Project/Area Number |
18510134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
有賀 裕二 中央大学, 商学部, 教授 (40137857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (80292077)
橋本 敬 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (90313709)
秋山 英三 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教授 (40317300)
小山 友介 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助手 (80345371)
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Keywords | ソシオダイナミクス / 認識場 / 離散的効用関数 / 状態遷移 / 秩序形成 |
Research Abstract |
本研究計画はもともと国際的な議論をつうじて課題の解決を目指すものであった。2年計画の前半では海外の研究者との交流を通じて議論を深めること、その成果に基づき最終年度(2年目)には広く関連課題について国際集会を開催すること、これである。そのため、初年度は、まず地理上全国に離散している研究分担者たちとITテレビ会議をつうじて密接に議論を行った。すでにビジネス界の常識となったことであるが、ITテレビ会議はあくまでもコミュニケーションの補助手段であって、実際の研究集会なしに議論を終えることはできない。しかし、ITテレビ会議は「研究サービス供給工程」で「議論の相互作用形成」に重要な役割を果たす。分担者の意思決定が階層的であるかぎり、テレビ会議は、ITマシンを基礎的階層として上位の認識を形成する「相互作用の場と認識の進化」に貢献し、それ自体が本研究課題の対象となりえることがわかる。 初年度は、主として、テレビ会議を活用して議論を深化させ、年度末にマックスプランク研究所経済学ユニット(ドイツ・イエナ)とアンコナ大学経済学部(イタリア・アンコナ)で研究交流を行う準備を進めた。マックスプランク研究所では「進化経済学にかんする日本・ドイツワークショップ」の開催に成功した。イタリア・ァンコナでは大学院生対象の連続セミナーを実現した。このような学術交流をドイツ、イタリア両国でともに成功裏に実現できた背景は、いうまでもなく本研究グループ全員が発表するに値する研究論文を準備できたことにある。 主要な実績は以下のとおり。 (1)Max Planck Institute of Economics in Jenaにおいて3月5日(月)Japanese-German Workshop on Evolutionary Economicsを行い、有賀、江頭、秋山がゲストとして講演した。3.月7日(水)には橋本がBrown Bag Seminarにてセミナー講演を行った。http://www.mpiew-jena.mpg.de/english/news/events-2007.phpこれらは研究所所長のUrlich Witt教授が主宰したものであり、研究所で本研究課題について学術交流を行うことができた。 (2)イタリア・アンコナPolitecnica delle Marche経済学部にてMauro Gallegati教授主催の連続セミナーを行い、Gallegati教授と本研究課題について学術交流を行った。なお、Gallegati教授は現在、Economic Society for Heterogeneous Interacting Agent会長である。 (3)科研費集会Reconstructing Macroeconomicsを平成18年12月1日(金)13:00-18:0に開催した。青木正直(UCLA名誉教授)、Enrico Scalas(University del Piemonte, Allesandria物理学科教授)等が参加した。
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