2006 Fiscal Year Annual Research Report
都市水害時の小規模地下空間の危険度評価と危機回避策に関する研究
Project/Area Number |
18510146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸田 圭一 京都大学, 防災研究所, 教授 (70273521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 仁志 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40243068)
米山 望 京都大学, 防災研究所, 助教授 (90371492)
馬場 康之 京都大学, 防災研究所, 助手 (30283675)
石垣 泰輔 関西大学, 工学部, 教授 (70144392)
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Keywords | 小規模地下空間 / 都市水害 / 地下浸水 / 水理実験 / 三次元数値解析 / VOF法 / 避難 / 危機回避策 |
Research Abstract |
本研究の主要な成果は以下のとおりである。 1.地下浸水に関する水理模型実験:縮尺1/15相当のアクリル製の地下室模型ならびに、高水槽、低水槽、ポンプから構成される実験装置を用いて都市水害時の地下浸水を想定した水理実験を実施した。流入部の越流水深が0.5mで一定のもとでは地下室に浸水が始まって数分ですべての場所で水深が0.7mに達し、小規模地下空間では浸水時に急激に水深が上昇することが確認された。また、地下街のような比較的規模の大きい地下空間の浸水解析に用いられる貯留槽モデル(ポンドモデル)をこの水理実験結果に適用したところ、浸水の初期過程を完全には表現できないものの、水深の時間変化を概ね適切に表現できることがわかった。 2.三次元地下浸水解析モデルの開発:地下室のような小規模地下空間での浸水を対象とし、階段部の流れや局所的な場での水の動きを表現できるVOF法ベースの三次元数値解析モデルを開発した。上記1の地下室模型実験結果を用いて検証したところ、計算結果は実用性に富む十分な精度を有することが確認された。地下空間のなかの局所的な場での詳細な浸水予測が必要な場合には、この手法が有効となる。 3.地下浸水時の避難:実物大の階段模型およびドア模型を用いた体験型の避難実験を別途実施し、地下浸水時の避難限界を明らかにすることに努めた。得られた避難限界指標をもとに上記1の水理実験結果を検討すると、階段やドアの存在が浸水時の地下空間からの避難可能性に大きく影響を与えることが明らかとなった。また、段差や止水板を設置することにより、氾濫水の地下室内への流入を遅らせることができ、避難に対してかなりの時間的余裕を生み出せることがわかった。
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Research Products
(6 results)