2007 Fiscal Year Annual Research Report
都市水害時の小規模地下空間の危険度評価と危機回避策に関する研究
Project/Area Number |
18510146
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸田 圭一 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (70273521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 仁志 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40243068)
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
馬場 康之 京都大学, 防災研究所, 助教 (30283675)
石垣 泰輔 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70144392)
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Keywords | 地下室 / 地下駐車場 / 都市水害 / 地下浸水 / 実物大模型実験 / 避難 / 浸水解析 / 危機回避策 |
Research Abstract |
本研究の主要な成果は以下のとおりである。 1 地下浸水時の避難実験:実物大の階段・ドア模型を用いた体験型の避難実験を実施した。階段からの避難では、地上水深(越流水深)0.3mでの流況が避難限界であること、場の明るさ暗さ、持ち物の有無、服装の違いのなかでは、服装が避難に大きく影響することが明らかとなった。また、通路部を含めた避難限界指標として、M=0.125m^2という関係が得られた。ただしMは単位幅あたりの比力(水圧と運動量束の和を長さの2乗の次元で表したもの)である。一方、押し開けドアの避難実験からは、ドア前面の水深が成人男性で0.35m、成人女性で0.30mを超えると自力避難ができなくなる可能性が高いことが明らかとなった。 2 地下浸水時の危険度解析:地下室、オフィスビルの地下階、地下街といった様々なスケールの地下空間を対象とし、浸水解析を実施するとともに、平面部、階段部、ドア部分での避難限界指標を適用して、浸水時の避難の困難度を比較検討した。その結果、地下空間のスペースが小さくなるほど、下層階が危険となることが確認された。また地下駐車場を有しているオフィスビルでは、入口の幅か広いために流入量が増大し、危険性がいっそう高まる。 3 地下浸水対策:都市水害モデルを用いて浸水が予想される地下空間、そして流入が予想される地下の入口を識別することが重要である。そして、ハード対策として、それらの箇所に止水板、段差を設置すること浴望ましい。とくに短時間蒙雨による激しい内水氾濫に対しては、バリアフリーに配慮した段差の設置が有効である。地下駐車揚の入口にハンプを設置することも同様の効果が期待される。ソフト下対策としては、避難情報の早期発信と迅速な避難行動が何よりも大切である。
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Research Products
(5 results)