2007 Fiscal Year Annual Research Report
出会い頭事故の原因分析と再発防止-視認性向上による交通管理システム再設計-
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18510149
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
堀野 定雄 Kanagawa University, 工学部, 准教授 (80078310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 みどり 神奈川大学, 工学部, 助手 (50409900)
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Keywords | 出会い頭事故 / 交差点視環境 / 死角 / 交差点隅切り / 映像記録方ドライブレコーダ / カーブミラー / ローテク・ローコスト改善 / メンタルモデル / 3次元CGシミュレーション |
Research Abstract |
本研究は依然全国83万件強の事故の1/4が出会い頭事故である事実を直視し、事故の減少を目的に、ローコスト、ローテクで交差点視環境改善と融合した交通管理システム確立を目指す。 過年度研究で既存カーブミラーの70-80%は視認性が劣り、特にミラー鏡像死角は出会い頭事故と相関が高い事が判った。対策として「カーブミラー人間工学3原則:(1)鏡面内道路位置、(2)鏡像死角、(3)距離感支援路面表示」を反映したミラー点検・補修を提案、横浜市道路管理者は鶴見区芦穂崎地区で実施、交通管理者は事故削減効果を確認した(2006-10)。更に、取り付けアームをせり出すなどの工夫で鏡面内死角も消去(2007-8)、安全性改善は明白となった。 「道路反射鏡設置指針」(1980)の改善提案を視野に入れ、点検・補修工事の全国展開で、全国219万本(国民55人に1本)ミラーの中、視認性不全が原因で発生する出会い頭事故を削減できる見通しがついた。迅速な実施を目標に人間工学原理を反映した現場向き調整法を開発し道路管理者に提案する。日本自動車研究所(つくば市/茨城県城里)模擬市街地/低μ路を用いたカーブミラー視認性実験と取付け諸元とカーブミラー像再現の3次元CGシミュレーションを併用して評価と補修の関係を整理した。新たに、組み立て式携帯型カーブミラーを考案、ミラーの俯角・水平角を迅速正確に測定・調整する方法の開発と、LED3個直列式高輝度光源を自作し、現場で交差点から約100m範囲をカバーするミラー角度調整作業の標準化を進めた。その結果、僅か数度の取り付け角度微調整で視認範囲が大きく変動する関係を特定した。 都内200台のタクシーに装着した映像記録型ドライブレコーダで収集したイベント(>0.4Gトリガー)数万件のデータを分析すると、出会い頭事故は常に上位ランクにあり、GPS測位データから交差点を構造分析し、ミラー機能不全との相関を見るなど立体的分析が可能となっている。原因究明と共に再発防止策を運転者側から分析する事が容易になり、本研究課題解決に有効に活用した。
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Research Products
(12 results)