Research Abstract |
平成18年度は1脚について3自由度を有する多関節形6足歩行ロボットの開発設計および半円弧形状の1リンクからなる6足歩行ロボットの開発および歩行制御について検討を行った。多関節形6足歩行ロボットについては,開発,設計および製作に約5ヶ月を要したため,当初,予定していた課題である,(1)"最適サーボ系によるアクチュエータのむだ時間を考慮した6足歩行ロボットの姿勢制御",(2)"スライディングモード制御によるアクチュエータのむだ時間を考慮した6足歩行ロボットの姿勢制御",(3)の課題は"FF入力によりアクチュエータのむだ時間を補償する6足歩行ロボットの姿勢制御"の検討まで行う段階にいたらず,姿勢制御を行う前段階である,3脚支持,4脚支持および5脚支持歩行,回転歩行を実現するまでとなった。開発した6足歩行ロボットは,高さ0.5[m],全長0.666[m],全幅0.710[m],重量約16[kg]であり,脚リンクの駆動機構としては各リンクともウォームギアを用いている。そのため,ロボットの自重による負荷に対して,機構的に耐えることができる。上記の検討課題については,平成19年度の検討課題として,開発した6足歩行ロボットを用いて引き続き研究していく予定である。次に小型の4足および6足歩行ロボットについて述べる。当初,平成18年度は1リンク4脚歩行ロボットの自律歩行制御について検討する予定であったが,歩行の安定性および多関節形6足歩行ロボットの研究テーマの関連性より,1リンク6脚歩行ロボットについて検討することとした。1リンク6脚ロボットのサイズは全幅0.24[m],全長0.65[m],高さ0.18[m],重量は3.3[kg]である。1リンクの脚は半径約60mmの半円状となっている。また,バッテリー,モータドライバーおよびCPUはロボット胴体に取り付けられており,自立歩行が可能となっている。ロボット搭載のCPUはH8マイコンを用いている。平成18年度は不整地歩行のアルゴリズムについて歩行実験により検討を行った。第(1)の課題としては,整地歩行を行う歩行バターンはデューティ比0.67の3脚支持歩行で,歩行速度は0.12[km/h]で歩行を実現した。第(2)の課題としては,高さ0.7[m]で2段となっている障害物のある不整地を乗越えることを示した。また,後進歩行,旋回歩行についても検討し,それぞれの歩行についても実現することができた。
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