2006 Fiscal Year Annual Research Report
地震災害リスクを考慮した災害医療体制の効率性評価手法
Project/Area Number |
18510153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
奥寺 敬 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (50252101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 浩一 防災科学技術研究所, 防災システム研究センター, 研究員 (20360381)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
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Keywords | 防災 / 危機管理 / 医療搬送 / 災害医療 |
Research Abstract |
1.災害医療体制に関する検討と医療搬送モデルの構築(奥寺) 災害時の事象や発生する問題点の抽出を目的として、新潟県中越地震やJR尼崎脱線事故等の過去の災害における医療搬送体制の状況を調査した。また、医療施設の防災への取り組み先進例である米国のカリフォルニア州で現地調査や実証的検討の対象地である静岡市に関わる災害医療体制調査を行い、日本のシステムと比較分析した。これらの調査結果から、対象地の医療班相対性の問題点や課題を分析し、静岡市の医療搬送の具体的な詳細モデルを構築した。さらに、モデルの構成要素や、評価指標を検討した。 2.地理管理情報システム(GIS)を活用した医療搬送モデル評価ツールの構築(奥寺、長谷川) (1)モデル構成要素となる、入口、建物インベントリー、交通施設、道路ネットワーク、医療施設、災害拠点施設などのデータを収集し、それぞれの地点情報と共に入力し、データベースを構築した。 (2)医療搬送モデルを評価するために必要となる、道路ネットワーク、ヘリポートなどの交通施設と医療施設等を結ぶ、医療搬送ネットワークのシミュレーションモデルを構築した。 (3)傷病者(重傷者)を医療施設に搬送する際に行われる選別(トリアージ)機能を、モデル評価手法に導入した。 3.強震動予測データの収集、震度予測データの作成と人的被害想定(能島) 防災科学技術研究所および中央防災会議から提供された実データを用いて予測した強震動データを活用し、震度予測データを作成した。また、震度予測データを用いて、人的被害想定を行った。 4.地震災害による医療施設等の被害とリスクに関する分析(長谷川、奥寺) 兵庫県南部地震、新潟県中越地震および鳥取県西部地震における医療施設の被害データを収集し、建物構造、非構造部材、医療機器の被害が、医療機能に及ぼす影響を分析した。災害医学的な見地から医療施設の選別(トリアージ)の概念を導入し、医療機能の継続性の観点から、被害の内容・程度・状況により医療施設の被害分類を行った。また、先進的に取組んでいる米国カリフォルニア州の現状を調査し、日本への導入における要因を抽出した。 〔研究協力者〕 国土交通省国土交通政策研究所 馬場美智子 医療搬送システム構築、医療搬送モデル評価ツール構築、医療施設被害分析
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Research Products
(12 results)