2008 Fiscal Year Annual Research Report
循環型住まいモデルによる地震危険度軽減戦略に関する研究
Project/Area Number |
18510155
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村上 ひとみ Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (10201807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 浩一 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50263794)
榊原 弘之 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90304493)
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Keywords | 住宅点検保全 / 住み替え / ライフサイクル / 循環型住まい / 人的被害 / 地震対策 / ブロック塀 / 住まいのカルテ |
Research Abstract |
地震による住宅の被害とこれによる人的被害を軽減するためには、災害に対して安全・安心な住宅を確保するよう、住まい手が災害のリスクを理解し、住まいの維持保全に主体的に関与していくことが重要である。 本年度は個人のライフサイクルと住宅被災リスクマネジメントのモデル化に関して、地方都市を対象に、ライフサイクルの任意時点で地震災害を経験するリスクを想定した場合の住み替え意思決定モデルを構築し、個人と世帯が生活の質の低下リスクを軽減するための方策を検討した。まず山口県宇部市を対象として、国勢調査の地域メッシュ集計データ(世代別人口)からメッシュごとの人口の社会増減を推計し、その値に因子分析を適用した。その結果、ライフサイクルに応じた住み替えの構造が明らかとなった。次に新潟県長岡市において同様の分析を適用した。その結果、住み替えのサイクルについては両都市で共通性が認められた。また、2004年の新潟県中越地震の前後において、特に中高年層の仮設住宅への移動が認められた。このことから、ライフサイクルと地震の住宅被害の影響の間の関連性が明らかとなり、地震防災上、個人のライフサイクルの要素を考慮すべきことが明らかとなった。 また、住まいのカルテ点検システムについては、住宅保全意識、点検行動と住宅の劣化状態について分析し、保全意識が点検行動と劣化防止に及ぼす影響が認められた。地震時の住まいの被災リスクとして、街路を歩く人の死傷危険度につながるブロック塀対策の問題をとりあげ、環境配慮をインセンティブとする対策の可能性、及び、校区の街路危険度評価を行い情報共有により地域で対策に取り組む動機付けの強化を検討した。
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