2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガウジのSIP(せん断分極)特性の定量化と岩盤の破壊予測への適用
Project/Area Number |
18510158
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中川 康一 Osaka City University, 都市研究プラザ, 名誉教授 (80047282)
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Keywords | 破壊予測 / せん断分極 / ガウジ / 地すべり / 防災 |
Research Abstract |
ガウジは地殻内で発生したせん断帯にほぼ不変的に存在している.これには外力による物理的な母岩の破砕作用と水が主体的に係わるとみられる粘土化の作用の両方が考えられる.一連の研究で,これらの物質が特殊な性質を持つことを報告してきたが,その最も特徴的な特性のひとつに「せん断誘発電位(SIP, Shear-induce Potential)がある.本研究課題の目的はこの現象のメカニズムの解明とより信頼性の高い計測を実施するにはどのような方策が必要かを検討することなどである.この現象のメカニズムの解明にはいろいろなアプローチが考えられるが,計測事例を増やすことも重要である.そこで本年度はSIPのメカニズムと関連して,特性を評価するための指標,SIP強度なるものを考え,これが妥当なものであるかどうかの検討を加えた.さらに計測事例を増やすための戦略として,合理的な計測技術が要求され,これらの改善を目指した. SIP強度はSIP特性を的確に示すものでなくてはならないが,そのためにはある程度分極メカニズムを特定する必要がある.これについては,砂などの粗粒な材料ではほとんど分極が見られないことから,細粒土特有の現象であることは疑いない.しかし,工作用の油粘土では分極が見られない.したがって,電気的に双極性である水だ大きな役割を果たしていることから,粒子-水-電解質系の物理化学的な相互作用と考えるのが順当である.そこで,剪断変形の大きさと,分極特性ならびに発生電圧の関係を詳しく吟味した.
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Research Products
(7 results)