2007 Fiscal Year Annual Research Report
土石流の検知警報システムの実用化によるライフライン防災
Project/Area Number |
18510165
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
疋田 誠 Kagoshima National College of Technology, 土木工学科, 教授 (90044619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 良介 鹿児島大学, 工学部・海洋土木工学科, 教授 (70111979)
森山 聡之 崇城大学, 工学部・環境建設工学科, 准教授 (50136537)
鎌田 清孝 鹿児島工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (10300667)
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Keywords | 防災 / ライフライン / 土石流 / 警報 / 地盤振動 |
Research Abstract |
土石流の検知警報システムは、監視カメラによる画像・雨量強度データ・土石流による地盤振動データ及び地盤の土壌水分量の計4つのセンサー情報を防災に利用するものである。 土石流の発生が予測される山間部は急斜面で、縦断方向にも横断方向にも起伏が多く、設置を容易にする必要があるため、桜島に昨年度設置した検知装置を改良し、一体型のコンパクトの検知警報装置を製作した。改良型は、設置面積を大幅に少なく、土砂災害の発生が予想される急傾斜面のある危険渓流にて、迅速設置が可能である。太陽熱による電力供給の安定化を図るため、全ての消費電力を総点検し、省電力化を行った。 本検知装置の実用化のため、テンシオメータによる土壌水分量による検知を再検討した結果、雨量でも代用可能であることが分かった。一方、鹿児島県砂防課より本装置を渓流の砂防工事現場に早急に設置し、避難時間を出来るだけ確保できるよう実用化の要望があり、本研究計画の仕様変更を行った。このため、振動センサーを最上流での斜面崩壊や崖崩れ対策を考慮し、上流と中流の2箇所、2段構えの検知装置システム及び携帯電話用警報ソフトの開発を検討し、実用化を試みた。 桜島と高専間でのデータ通信用に衛星電話利用を検討したが、山村へき地にて設置維持するには通信コストが高価で、検討を要することが判明した。維持経費をできるだけ安く、通信の安定化を図るため、山間部で十分通信可能なMCA無線を用いることにした。(株)アイエムティに通信用インターフェース設計製作を依頼し、高専で双方向通信実験を実施した。本検知装置は、国土交通省大隅河川道路事務所及び鹿児島県砂防課の協力を得て、桜島上流及び国道10号の渓流に設置予定である。 以上、ライフライン防災ための実用化に関する貴重な知見が得られた。研究成果は砂防学会及び土木学会の研究発表会、4th-DFHM(中国、成都)等で公表した。
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