2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
日比野 康英 城西大学, 薬学部, 教授 (10189805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 真理 城西大学, 薬学部, 講師 (50272901)
神内 伸也 城西大学, 薬学部, 助手 (80433647)
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Keywords | ヒトゲノム / 核マトリックス / DNA結合蛋白質 / 遺伝子発現 / MAR / SAR / バイオインフォマティクス / 転写遺伝子 |
Research Abstract |
バイオインフォマティックスの手法に基づいて、ヒトゲノム中のMAR/SAR領域を推定し、生化学的手法によってこの領域が遺伝子の発現機能にどのように関与しているかを証明することを目的とした。以下に今年度の成果を示す。 1)ヒトゲノムDNA配列中のMAR/SAR領域の推定(日比野、岡崎、神内) バイオインフォマティックスに基づいた解析方法に従って、ヒト遺伝子のMAR/SAR領域を推定した。すでに、薬物代謝、薬物排泄ポンプ、細胞周期、酸化ストレスなどの機能に関与する約300種類の遺伝子について、上記の方法により約2,000ヶ所のMAR/SAR領域を決定しヒトゲノム上の分布図を作成した。その結果、この推定プログラムは、非常に高い精度でMAR/SAR領域を推定することが可能であり、すべての推定領域が以下の実験2)の手法により本来のMAR/SARの特徴を示すことを明らかにしつつある。今後も推定領域の情報に基づいて実験2)を平行して実施する。 2)推定したMAR/SAR配列とP130/MAT3との結合解析(日比野、神内) 核マトリックスタンパク質であるP130/MAT3は、すでに複数のMAR/SARと結合することが確認されていることから、今回推定したMAR/SARとの結合能を、以下の3つの方法でスクリーニングした。 a.核マトリックス画分に残存するDNAを鋳型とした推定MAR/SARの増幅 核マトリックス画分からDNAを回収し、このDNAを鋳型として実験計画1)で得られた各遺伝子の情報に基づいてプライマーを設計し、DNAの増幅の有無を確認した。その結果、すべての推定MAR/SAR領域が増幅され、上記1)の推定プログラムの信頼性を今回の遺伝子を用いた場合でも証明できた。 b.抗P130/MAT3抗体を用いたクロマチン免疫沈降(ChIP)画分中のMAR/SARの同定 抗P130/MAT3抗体によるChIPアッセイで得られた画分に含まれるMAR/SAR領域を同定するために、上記で設計したプライマーを用いて増幅の有無を確認した。その結果、遺伝子ごとに増幅されるはMAR/SAR領域ごとに異なるものの、P130/MAT3と相互に作用するMAR/SAR領域が明らかにできた。 c.Electrohoretic Mobility Shift Assay (EMSA)による結合の解析 単離したP130/MAT3とMAR/SARとの結合実験を、EMSAにより解析した。その結果、上記bの結果をすべて支持する結果であった。
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Research Products
(5 results)