2007 Fiscal Year Annual Research Report
部分構造マクロサイクル化によるポリエーテルマクロライド類の合成化学的立体化学解明
Project/Area Number |
18510179
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤原 憲秀 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (20222268)
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Keywords | ゴニオドミンA / 生物活性天然物 / 立体構造決定 / ポリエーテルマクロライド / マクロサイクル化 / 大環状アナログ / 配座の束縛 / NMR解析 |
Research Abstract |
生物活性天然物の立体化学は、生物活性の本質の解明や医薬農薬開発への応用開発等に必要不可欠な情報である。一方、強力な生物活性を有し医薬品等各方面への開発が期待されながら、希少な天然物が存在する。これらは、希少さ故、構造情報が平面構造ないし部分的な相対配置に留まる場合が多い。また、希少さの合成供給による克服が求められるが、前提として合成化学的な立体構造解明が必要となる。本研究では、大環状ポリエーテルマクロライド天然物を対象として、部分構造マクロサイクル化・NMR比較による大環状化合物全体の立体構造を推定する方法論を創出・検証し、最終的に全合成により全立体化学を確認して方法論の妥当性を実証すべく検討を加えた。平成19年度は、平成18年度に引き続き、立体構造未知の渦鞭毛藻由来の生物活性マクロライド天然物のゴニオドミンAを具体的な対象として、部分構造マクロサイクル化により立体構造を決定すべく検討を加えた。具体的には、AB環部とCDE環部に相当するセグメントを合成し、これらを連結・スピロアセタール化してABCDE環部を構築すべく検討した。CDE環部セグメント合成において、C環部C15位の立体化学の構築に困難を極めたが、DE環Weinrebアミドのアルキル化・還元経路による立体選択的構築法を見出すことが出来た。よって、ABCDE環部をマクロサイクル化するための基礎が確立した。また、ごく最近、東北大の佐々木教授により天然物の詳細なNMR解析からゴニオドミンAの絶対配置が提案され、天然物のABC環部は、平成18年度に申請者が合成したABC環部の非マクロサイクルモデルのうちの一つのスピロアセタール部のエピ体であることが判った。すなわち、天然物のスピロアセタールはマクロライド構造に組み込まれて初めて実現できる立体化学を持つことが、申請者のモデル系との比較考察によって、明らかになった。
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Research Products
(3 results)