2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510181
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
牧 昌次郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20266349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 治樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20135297)
平野 誉 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20238380)
|
Keywords | 標識材料 / 発光 / 分子イメージング / ホタル / AMP化 / 蛍光 / 生物発光 / バイオミメティクス |
Research Abstract |
1.発光酵素の律速段階の確定と定量的な検証 ホタル発光酵素は2つの作用ポケットAMP化(基質活性化):A pocketと発光(酸素化):O pocketを有している。しかし発光を測定・解析するとあたかも単純反応の様であった。すなわちこの酵素反応には律速段階が存在した。生物発光の人為モデル化には「律速段階の人為制御」が不可欠である。そこで種々の検討を行い、2つの反応のうち基質活性化(A pocket)が「律速段階」であることを明確かつ定量的に実証した。 活性化基質を有機合成し、発光酵素により発光活性を検定した。この結果、合成した活性化基質は発光基質の約30倍の発光強度増強が確認された。ホタル発光酵素はアシルアデニレート合成酵素スーパーファミリーに属しており、酵素の分類的にはAMP化はオリジナルの反応と考えられていたが、実際はA pocket(AMP化反応)が「律速段階」であることが実証できた。 2.活性化発光基質による活性化段階制御 基質活性化ポケットの機能を「認識」と「反応」の作用ステップに区分して、「律速ステップ要因」について検討を行った。AMP化反応点付近に2つのメチル基を導入して嵩高くした基質や、ベンゾチアゾリン環部分に有機合成的に修飾を加え単純化した基質など、20種程度の基質アナログを合成して各々生物発光活性を測定した。またこのうちの数種を合成的にAMP化し、AMP化前後での発光活性の比較を行った。データ解析を終了しておらず詳細は今後の継続課題であるが、A pocketの制御ポイントとして以下の結果を得るに至った。 (1)不斉認識より構造認識が支配的である(非天然型基質もAMP化される)。 (2)AMP化部位付近を嵩高くした基質では、発光活性が著しく(4桁)低下する。 (3)修飾を加え発光活性が低下した基質アナログも、合成的にAMP化すると発光活性が著しく向上する。 (4)人為的なAMP化基質は発光活性こそ向上するが、発光が定常化しない「釣り鐘型発光」であった。これを定常化する新規技術を開発した。
|