2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510181
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
牧 昌次郎 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 助教 (20266349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 治樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20135297)
平野 誉 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (20238380)
|
Keywords | 標識材料 / 発光 / 分子イメージング / ホタル / 発光波長 / 蛍光 / 生物発光 / バイオミメティクス |
Research Abstract |
1.ホタル生物発光系によるRGB発光材料の達成 ホタル生物発光系における発光波長改変技術は長年の課題であった。世界中でホタル生物発光系を用いた、「多彩な発光材料」の研究が為されていたが、現在のところ緑、黄色、橙(560,580,630nm)がTripluc^<TM>(東洋紡社)としてやっと市販されたところであった。Tripluc^<TM>は、ホタル発光基質と交叉反応を示す多生物発光酵素およびその変異体で発光波長改変を行っているが、その改変範囲は約80nmである。そこで発光酵素ではなく、発光基質からの発光波長改変を目指し、発光基質と発光酵素の構造活性相関データから、発光基質アナログをデザインし、発光測定を行ったところ、これまでの技術では達し得なかった赤、緑、赤(450,560,680nm)の発光を創ることに、世界で初めて成功した。 この成果は工業所有権(特願2008-023396)として知財化した。 2.発光波長制御技術の確立と指標化の端緒を開拓 本研究で開発したRGB発光材料は発光改変範囲が200nm以上である。また同系統の基質アナログで波長改変を達成していることから、経験的な発光波長改変指標として提案することができる可能性がある。これまで行われてきた発光改変方法は、科学的な指標無きランダムトライ&エラーを繰り返しているだけであり、世界的にも発光波長改変指標は、長年求められていた。これまで合成してきた30余種の基質アナログの発光波長データを整理すると以下の指標仮説が提案できる。 (1)二重結合を1つ伸長すると発光波長が100nm程度赤色シフトする。 (2)同一構造であれば、特定の官能基変換により発光波長が20〜30nmシフトできる。 (3)同系統の化合物であれば、二重結合を修飾することにより、発光波長を20〜30nmシフトできる。 今後は上記仮説を確立すべく、研究を継続して行きたい。
|