2007 Fiscal Year Annual Research Report
合成プローブを活用したテトロドトキシンの食物連鎖機構および生合成経路の解明
Project/Area Number |
18510182
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 俊夫 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (90208158)
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Keywords | テトロドトキシン / 化学合成 / 同位体標識 / 食物連鎖 / 生合成 / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
フグ毒テトロドトキシンの食物連鎖機構と生合成研究に必要不可欠な安定同位体で標識されたテトロドトキシン類縁体を合成することが目的である。テトロドトキシンの生合成前駆体として最も可能性が高い5-deoxyテトロドトキシンと5,6,11-trideoxyテトロドトキシンを効率よくかつ確実に合成するために、以下のように研究を進めた。 前年度までに、5-deoxyテトロドトキシンと5,6,11-trideoxyテトロドトキシンの合成に必要な11位水酸基の導入された「新共通中間体」の100gスケールでの大量合成に成功している。そこで、5-deoxyテトロドトキシンを目指して、重要中間体であるラクトンを合成した。トリクロロアセトアミドの隣接基関与を活用して8位水酸基を導入し、酸化還元によって立体配置をテトロドトキシン合成に必要な立体配置に反転させた。ついで、環内オレフィンの立体選択的なエポキシ化、末端オレフィンのオゾン酸化によってアルデヒドに変換した。アルデヒドへのカルボン酸等価体としてアセチレンの導入は、リチウムアセチリドを使うと立体選択的に進行し、保護基の変換後、ルテニウム酸化によってアセチレンを切断しカルボン酸を発生させると、分子内のエポキシドを位置選択的に開環しラクトン中間体が効率よく得られた。 5-deoxyテトロドトキシンを合成するためには、このラクトン中間体へのグアニジン導入を残すのみとなった。今後、5-deoxyテトロドトキシンと5,6,11-trideoxyテトロドトキシンの合成ルートの完成後、安定同位体^<15>N,^<13>Cによる標識体合成を行う予定である。
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Research Products
(4 results)