2007 Fiscal Year Annual Research Report
棘皮動物ヒトデ類の含有する骨粗鬆症改善効果物質の探索研究
Project/Area Number |
18510187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲垣 昌宣 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 助教 (90274480)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / 棘皮動物 / ヒトデ / ナマコ / ウミシダ / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
骨芽細胞増殖効果および破骨細胞抑制効果といった骨形成促進に対して有意な効果の確認された棘皮動物由来のスフィンゴ脂質について、試料動物より抽出、分離、構造決定を行った。試料動物は沖縄にて採集されたアオヒトデ(Linckia laevigata)、ハナウミシダ(Comanthina schlegeli)、ジャノメナマコ(Bohadschia argus)、福岡県福津市にて採集されたアカヒトデ(Certonardoa semiregularis)を用いた。 各試料動物をクロロホルム・メタノール混液で抽出し、それを減圧溶媒留去して得られた抽出エキスを水と酢酸エチル・ブタノール混液で分配した。得られた酢酸エチル・ブタノール層は濃縮後にアセトン処理をして可溶部((1))と不溶部((2))に分けた。水層についてはさらに水飽和ノルマルブタノールにて分配・濃縮し、ブタノール画分((3))と水画分に分画した。水画分については透析後内液を逆相カラムクロマトグラフィーに付し、メタノール/水の溶媒グラジエントにより溶出させ、100%メタノールおよびクロロホルム・メタノール溶出部を合わせて高極性脂質画分((4))とした。セラミドは(1)、セレブロシドは(2)、セラミドラクトシドは(3)、ガングリオシドは(4)に存在していると考えられる。アオヒトデからは1種の新規ガングリオシド分子種、ハナウミシダからは2種の新規ガングリオシド分子種、ジャノメナマコからは棘皮動物からは珍しい1種のガラクトセレブロシド分子種を得て構造決定を行った。棘皮動物に一般的なグルコセレブロシドとの構造活性相関は興味が持たれる。 また、これまで構造研究を行っていた棘皮動物由来ガングリオシドの神経突起伸展作用における構造活性相関、棘皮動物由来ガングリオシドに含有されるシアル酸の絶対配置決定法、棘皮動物由来の生理活性ガングリオシド、棘皮動物ハナウミシダの新規ガングリオシドについて論文投稿し、掲載された。
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