Research Abstract |
抗糖尿病作用,抗炎症作用,強壮作用が伝承されている生薬について,種々の薬理試験を実施し,以下に述べる生薬からサポニン成分の単離と構造解明を行うとともに,活性発現の必須構造の解明などサポニン構造と薬理活性の相関を明らかにし,一部のサポニンについては作用機序の解析を実施した. タイ産ヤシ(Borassus flabellifera,花部)および主要成分dioscinに血糖値上昇抑制作用を見出すとともに6種の新規スピロスタン型ステロイドサポニンの絶対配置を含めた化学構造を明らかにした.エジプト産コロシント(Citrullus colocynthis,果実)の瀉下成分および抗アレルギー成分としてcucurbitacin Eおよびその配糖体を明らかにするとともに,2種の新規cucurbitan型トリテルペンサポニンの化学構造を明らかにした.ニガウリ(Momordica charantia,果実,葉)の抗糖尿病作用成分について研究を実施し,その過程で8種の新規cucurbitan型トリテルペンおよび配糖体の化学構造を明らかにした.ブラジル産ロベイラ(Solanaum lycocarpum,果実)からステロイドアルカロイドサポニンに胃粘膜保護作用および糖負荷後の血糖値上昇抑制作用を見出し,その作用機序に関する知見を得た.チャ(Camellia sinensis,種子,葉)から14種の新規オレアネン型トリテルペンサポニンの化学構造を明らかにするとともに,好塩基球由来細胞RBL-2H3の脱顆粒抑制活性を見出すなど,平成18年度の当初計画をほぼ達成したものと考える.
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