2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18510204
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊東 明 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (40274344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名波 哲 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70326247)
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Keywords | タンポポ / 移入種 / 保全 / 発芽 / 遺伝子汚染 / 外来生物 / 植物 / 生態学 |
Research Abstract |
近畿における雑種タンポポの形成・拡大過程を解明する目的で以下の調査を行った。 1)見かけのアカミタンポポにおける雑種比率とアカミタンポポとカンサイタンポポの雑種の発芽温度特性を滋賀県彦根市市街地の材料を用いて調べた。その結果、アカミでは、セイヨウと比較して雑種が少なく、雑種の中でも雄核単為生殖雑種が多いことが示された。また、雑種の発芽と温度の関係は、昨年、セイヨウとの雑種で得られた結果と似ており、高温による部分的な発芽抑制が見られるのは3倍体と4倍体の雑種のみであった。これらの結果は、少なくとも調査地では、見かけのアカミで高温発芽抑制を示す個体の割合が少ないことを示す。 2)野外での雑種形成頻度を調べるため、花期に鉢植えのカンサイタンポポをセイヨウタンポポ(雑種を含む)個体群中に放置し種子形成を調べた。その結果、充実種子はほとんど得らなかった。これは野外での雑種形成頻度がかなり低いことを示唆するが、条件の検討など更なる調査が必要であろう。 3)雑種タンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポ、カンサイタンポポへの既存マイクロサテライトマーカーの有用性を検討した。これまでに報告されているプライマーから10種類を選び、葉から抽出したDNAを用いてPCRで増幅したところ、いずれのタンポポでも一部のプライマーが利用可能なことが確かめられた。今後、より多くのプライマーを試すとともに、多型性を検討し、雑種タンポポの遺伝子型判定を行う予定である。
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