Research Abstract |
抗糖尿病性の高い品種を選抜し,その増産方法を確立することを目的として研究を行った.276品種のαグルコシダーゼ阻害性(α-GI)と、230品種の1-デオキシノジリマイシン(DNJ)含量を調査した.7月と8月のα-GIは,5月より高く,8月のDNJは5月より有意に高かった.7月のカラヤマグワ系のDNJとα=GIは,高い相関があった.採取日と葉位を一定として,各品種のDNJとα-GIの相関を解析すると,さらに高い相関さ認めた.各品種の葉位6〜10のα=GIを100%とすると,葉位16〜20は平均で82.2%、葉位26〜30は平均71.0%,葉位36〜40は平均で68.9%に低下した.α-GLとDNJが共に高い品種,中程度の品種,低い品種を選択し,23種の季節別の阻害活性の推移を検討した.このうち21品種について,季節的なα-GIの消長を検討したところ,全部の試料の平均は,54.9%で,各品種とも60.1%〜60.5%の出現率が高かった.ヤマグワ系,カラヤマグワ系,ログワ系の3系統による阻害活性の差は認めなかった.葉位1〜5と6〜10の阻害活性は,11より下の置の葉より高かった.一部品種の8月採取のα-GIは,葉位1〜30の範囲では,葉位に関係なく一定していた。8月採取のDNJ含量が最も多かったので,8月機能性の高い桑葉の生産が可能である.有用品種として選定した品種は,挿し木による増殖実験を行った.育成2年目に達した11品種の,葉位1〜5のみ採取し,その季節的,品種毎の機能性の消長を解析した.11品種の成本のα-GIは,7月・8月・9月が高く,幼木では7月・9月・10月が高かった.多くの品種で,成木と幼木間に季節ごとの成長の関連性は認められなかった.
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