2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病予防素材としての利用の面からみた日本で保存される桑葉品種の遺伝資源活用
Project/Area Number |
18510206
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
八並 一寿 Tamagawa University, 農学部, 准教授 (40182357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 敏 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (10169352)
一田 昌利 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 准教授 (40223101)
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Keywords | 桑葉 / α-グルコシダーゼ / 1-デオキシノジリマイシン / 品種 / 阻害 / 含量 / 糖尿病 / 遺伝資源 |
Research Abstract |
抗糖尿病活性の高いクワ品種を選抜し、その増産方法を確立することを目的とした。α-グルコシダーゼ阻害活性(α-GI)が強く、1-デオキシノジリマイシン(DNJ)の高い桑品種は、産業的応用価値が高いので、270品種より有望と考えられた10品種に絞り、その食品機能性解析と挿し木増殖法による幼木の遺伝形質の解析を行った。7月〜10月に採取した親木の葉とその幼木の葉のα-GIとDNJ含量を比較した。2品種は、両者は同傾向、他は親木の機能性が高かった。親木のDNJは7月〜9月はほぼ同程度、10月に低下した。幼木のDNJは親木より低く、親株の葉位16位以下の葉の含量に相当した。食品機能性の高い葉の育成法を検討し、枝を春先から伸ばしたままにした葉より、7月に一旦90cmの高さで伐採しその後1か月間育成した葉の先端の機能性が最も高くなった。さらに、京都産桑葉の機能性を比較する意味で、沖永良部島と徳之島に自生するシマグワの葉の機能性を調査した。京都の栽培桑は、ポリフェノール含量と抗酸化性おおむね高かった。DNJやα-GIは、ほぼ同程度と考えられた。幼木の機能性を昨年までの結果と比較したところ、京都工芸繊維大保存品種72、95、152、477は2年間にわたり同様のα-GIが観察された。本年採取の幼木で最もDNJ含量が高かったのは品種513であった。したがって、食品機能性の高い桑葉の効果的生産法は、品種513について挿し木増殖法で育成し、育成3年目以降、7月に一旦90cmの高さで切り揃え、その後約1か月育成した枝の先端付近の葉を採取することで、糖尿病予防効果の高い桑葉が生産可能であると推察した。
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