2007 Fiscal Year Annual Research Report
北海道とサハリン州の相互理解に資するサハリンにおける地域変容の研究
Project/Area Number |
18510210
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒井 信雄 Hokkaido University, スラブ研究センター, 教授 (10316284)
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Keywords | 国際交流 / サハリン州 / 北海道 / ペレストロイカ / 合弁企業 / 姉妹都市 |
Research Abstract |
平成19年度は、海外調査としては平成20年3月にロシア連邦サハリン州において、サハリン州立文書館において、1989年から2002年までのサハリン州行政府(ソ連期にはサハリン州ソヴィエト執行委員会)の対外関係担当部局の資料を精査し、(1)ソ連期およびソ連崩壊後のロシア期の対外貿易の制度および輸出入品目の変遷、輸出入品を扱う企業と地方行政府の関係など、(2)ソ連末期(1987年以降)から2002年までの外国資本(主として北海道資本)とサハリン州内企業との「合弁企業」の設立にかかわる地方行政府の意思決定への関与の状況、(3)北海道内市町村とサハリン州の市町村の姉妹都市関係の締結にかかわる地方行政府の政策および北海道庁とサハリン州行政府の主として経済交流促進に関する、相互訪問を通じての協議に関する地方行政府への政策および派遣団参加者からの行政府に対する報告内容、(4)1990年以降のサハリン州内企業による水産品の対日輸出に関わる地方行政府の諸決定および地方行政府とソ連邦外国貿易省や漁業省との書簡の往復などに基づく、企業による貿易自主権の漸次的拡大の過程、(5)「要塞地域」としてソ連内国人に対してすら立ち入り制限のあったサハリン州への、墓参などを目的とする日本人の受け入れに関するサハリン州行政府の政策およびソ連共産党サハリン州委員会殿の間で交わされた書簡などから推察される、外国人の立ち入り許可地域の漸次的拡大や行動規制事項について等を精査した。 また、サハリンでの調査に先立って、すでに平成18年度、19年度に入手した北海道庁の資料およびサハリン州内に姉妹都市を有する道内市町村(稚内、紋別)の資料を基に、1990年代におけるサハリンとの交流に関して、当時の特徴であった相手方に関する情報の不足を克服し、サハリン州側(行政府、企業など)への提案がどのように形成されてきたかを検討した。
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Research Products
(2 results)