2007 Fiscal Year Annual Research Report
スリランカにおける津波被災後の心的外傷後ストレス障害と認知症の関連要因
Project/Area Number |
18510218
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
野村 亜由美 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50346938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 保之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50108304)
門司 和彦 総合地球環境学研究所, 教授 (80166321)
本田 純久 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (90244053)
|
Keywords | 医療人類学 / 国際保健 / 精神保健 / 自然災害 / ストレス / 認知症 / 社会医学 / スリランカ |
Research Abstract |
本研究は、スリランカ国内の津波被災地域住民を対象に、被災体験による心外傷後ストレス障害(PTSD)の発症状況を調査し、被災時の体験や被災状況、被災後の生活状況との関連を明らかにすることを目的とする。 本年度は下記のことを行った。 1.現地研究協力者との研究打ち合わせ 2007年11月と2008年2月にスリランカを訪問し、ルフナ大学人間学・社会科学部のSarath Amarasinghe教授と調査対象地域、対象者数について研究打ち合わせを行った。調査はスリランカ南部のMatara地域で行い、対象者数は600人とすることを決定した。また面接調査の具体的な実施手順について議論した。 2.質問紙のシンハラ語への翻訳 調査に用いる精神医学的測定尺度であるIES-R(Impact of Event Scale-Revised)、CES-D(Center for Epidemiologic Studies Depression Scael)、GHQ(General Health Questionnaire)を現地の使用言語であるシンハラ語に翻訳した。また対象者の属性(年齢、性別、婚姻状况、職業、教育水準、社会経済因子)、健康状態(既往歴、主観的健康度、日常生活動作)、被災体験(家族の喪失、友人・知人の喪失、家屋の被害状況、避難所での生活状況)、生活習慣(喫煙、飲酒)、社会支援の状況についての質問を含む、基本情報の調査票を作成し、同じくシンハラ語に翻訳した。 3.疫学調査の実施 作成した調査質問紙を用いて、PTSDの疫学調査を実施し、データを収集した。現在、予備的な解析を行っているが、津波被災体験が精神医学的症状に影響を及ぼすことが示唆されている。今後は、PTSDと認知症の関連要因に関する分析を行うことで、被災当時の年齢、性別、宗教や健康・活動状態などを加味しPTSDの発症または増悪、認知症に影響を及ぼす主要因について詳細に検討を行っていく。
|
Research Products
(5 results)