2006 Fiscal Year Annual Research Report
俳句、和歌、川柳を媒体に表象されるハワイ日本人移民の社会史的文化史的研究
Project/Area Number |
18510223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
島田 法子 日本女子大学, 文学部, 教授 (00206187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 眞理子 東海女子大学, 文学部, 教授 (00216631)
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Keywords | 日系アメリカ人文学 / アメリカ合衆国ハワイ州 / 日系アメリカ人史 / ハワイ日系人と短歌 / ハワイ日系人と俳句 / ハワイ日系人と川柳 |
Research Abstract |
初年度の中心的な研究実績は、アメリカ合衆国ハワイ州におけるフィールドワークによる資料収集であった。まずオアフ島ではハワイ大学マノア校ハミルトン図書館に所蔵されている資料から、俳句集、短歌集、文芸雑誌42冊のコピーをとった。古くてコピーが許可されない資料については、コンピュータに入力した。戦前から戦後60年代にかけての出版物を網羅した。同時に、日本語新聞『布哇報知』ならびに『日布時事』の文芸欄を追って、掲載されている俳句、短歌、川柳をコピーした。両新聞の発行期間全体を検索するのではなく、ハワイにおける日系人史上重要な出来事の起きた時期を中心に、期間をさだめて検索した。また、ホノルルのハワイ日本文化センター(Japanese Cultural Center of Hawaii)においても、他で得られない資料があることがわかり、コピーによる収集をした。同時に、現在ホノルルで活動中の俳句と短歌の3団体の会員に会い、各会の歴史についてインタビューするとともに、所蔵しておられる資料を拝見した。 ハワイ島ではハワイ大学ヒロ校図書館、ハワイ日本センター(Hawaii Japanese Center)を訪れ、資料収集にあたった。特にハワイ島には百年の歴史を持つ「蕉雨会」があり、その句会に参加させていただき、インタビューをおこなった。またその同人関係の資料をコピーさせていただいた。ハワイ島で発行されていた日本語新聞『布哇殖民新聞』についても、約2年間分の文芸欄の検索をおこなった。 帰国後、収集した多くの資料を整理分類する作業をおこなっている。主として、文芸活動の発展・歴史を示す資料、移民たちのプランテーションにおける労働を歌った作品、祖国日本を思う望郷の作品、新天地ハワイへの適合を示す作品、第二次大戦期の苦闘を歌う作品、女性特有の経験を歌う作品を分類する作業を行っている。
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