2007 Fiscal Year Annual Research Report
労働時間問題に関するジェンダー問格差の現状と労働時間規制政策の国際比較
Project/Area Number |
18510227
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清山 玲 Ibaraki University, 人文学部, 教授 (00236069)
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Keywords | ワークライフバランス / 労働時間 / ジェンダー / 雇用管理 / 賃金管理 / ワーキングプア / 小売業 |
Research Abstract |
本年度は、小売業中堅企業において、企業の経営者および人事担当者、広報から、労働時間管理の変更内容及びその狙いとしてワークライフバランス重視戦略への転換について聞き取り調査の実施と資料収集を行った。その結果、長時間労働が当然視されていた職場をワークライフバランスが可能な職場へ転換しようとする理由・動機、またその際の実施方法や職場管理職や一般労働者の受け止め方について、新たな知見を得ることがだきた。 さらに、この聴き取り調査をふまえて、他店舗に先駆けてワークライフバランス職場実現を試行している店舗で、店長、副店長といった管理職階層から、長時間パート、契約社員、短時間パート(アルバイト)、深夜短時間パート(アルバイト)まで多様な働き方の各階層の人々に対して、さまざまな視点から、働き方や労働時間に対する意識や実態、会社の方針に対する考え、評価等を個別にアンケートや聴き取りによって調査した。管理職階層に対しては、別に、それまでの長時間労働の実態、管理職としての働き方の変化、そのための具体的な方法等について、詳細に聴き取りを行った。これにより、さまざまな階層、働き方の人たちのワークライフバランスに対する意識と現実の働き方について興味深い知見を得ることができた。また、年次有給休暇の付与に関して、手続き、日数、労働者の年次有給休暇取得に対する受け止め方などを調査した。 このような調査は、労働時間統計などからは明らかにできにくい年次有給休暇取得が進まない実態と取得率向上のための課題を考察するために重要な意義をもつ。 なお、この成果の一部は、研究所紀要論文「女性労働とワーキングプア」(「協同の発見」第180号、2007年6月)として発表した。また、平成20年度5月に開催される社会政東学会第116回大会でも報告予定である。
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