2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18520006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑子 敏雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (30134422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 毅彦 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90246778)
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Keywords | 景観倫理 / 価値構造 / 景観法 / 倫理学 / 景観政策 / 行政システム / 包括的ウェルネス / 市民参加 |
Research Abstract |
本研究は、「景観倫理の構築」という課題を、理論構築と実践的技術の形成の両面から行う。平成19年度は、平成18年度における景観形成の具体的事例調査を継続した。具体的事例調査では、 (1)宮崎県都城市大淀川河川景観整備に関する行政と市民の取り組み (2)鹿児島県さつま町川内川改修事業 (3)長野県上田市のため池を含む田園景観の整備事業 (4)長野県山ノ内町志賀高原の自然再生への取り組み (5)島根県雲南市山王寺地区棚田景観保全事業 等について、関係者から情報を収集するとともに、意見を交換した。 以上のような現地調査を基礎に、景観形成の倫理的原理の根底におくべき価値について理論的考察を行い、景観形成のための基本原理として、「地域社会の活性度(ウェルネス)」の概念、とくに、自然環境と社会環境の調和を実現する地域社会の活力としての「包括的ウェルネス」の概念を得た。この概念は、とくに社会資本整備における災害リスク時と災害復興時および平常時の景観形成のあり方を包括するものとして、河川整備や農地・里山里地の景観整備などに重要な意味をもっている。この認識には、九州大学大学院教授・島谷幸宏氏と新潟県立看護大学准教授・吉武久美子氏との意見交換に負うところが大きい。
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